統合失調型パーソナリティ障害とは?症状、診断、治療
発達障害専門外来
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統合失調型パーソナリティ障害とは?症状、診断、治療

風変わりな行動をしたり、友達と一緒にいると何故か落ち着かず、リラックスできない。また、独特な言い回しや構文で話すことがあるけれど、支離滅裂な話というわけでもない。そんな特徴のある人は、統合失調型パーソナリティ障害かもしれません。今回は、統合失調型パーソナリティ障害の症状、診断、治療について精神科医が解説します。

パーソナリティ障害全般については以下の記事を参照してください。

統合失調型パーソナリティ障害とは

統合失調型パーソナリティ障害は、親密な関係では急に気楽でいられなくなること、そうした関係を形成する能力が足りないことなどが特徴のパーソナリティ障害です。

名称に「統合失調」とありますが、統合失調症とは別の障害です。統合失調症に似た症状が特徴ですが、統合失調症特有の異常はありません。

有病率

地域研究によると、統合失調型パーソナリティ障害の有病率はノルウェーの0.6%からアメリカの4.6%の範囲にわたると報告されています。「米国におけるアルコールおよび関連疾患に関する全国疫学調査」において、一般人口における統合失調型パーソナリティ障害の有病率は3.9%とされています。

男女差は、わずかに男性のほうに多く見られると考えられています。

原因

原因ははっきりとは明らかになっていませんが、同じ家族内で起こることが多いと考えられています。また、統合失調型パーソナリティ障害の発端者の家族には、統合失調症や他の精神病性障害も少し多い傾向にあるとされています

経過

小児期や青年期に孤立したり社交不安が見られたり、学業成績が悪かったりすることで明らかになることが多いです。また、変わった思考や言葉、および奇異な空想のために「奇妙」や「風変わり」と思われることがあり、それが原因でいじめられることがあります。

統合失調型パーソナリティ障害の症状

統合失調型パーソナリティ障害は、認知的、知覚的歪曲と風変わりな行動があることが特徴です。具体的には、以下のような症状があります。

  • 偶然の出来事や事件に対して誤った解釈をして、普通でない意味付けをする(特に人に対して見られる)
  • 奇妙な信念(迷信、テレパシー、第六感)を持っており、行動に影響を及ぼしている
  • 誰もいないのに誰かがいるように感じるなど、普通でない知覚体験がある
  • 話が曖昧だったり、細部にこだわりすぎたり、紋切り型に見えるなど、考え方や話し方が奇異
  • 変に疑い深く、妄想的
  • TPOに合わせた服装ができない(社会的慣習への意識が少ない)
  • 対人関係を煩わしいものだと思っている
  • 慣れない人が多い環境だと不安を感じ、時間が経ってもその不安は簡単には弱まらない

奇妙な信念というのは、例えば「悪い出来事を避けるために、家の周りを3周してから家に入る」という行動を取り、それが実際に悪い出来事を避けていると考えたりします。

統合失調型パーソナリティ障害の診断

DSM-5では、統合失調型パーソナリティ障害の診断基準は以下のようになっています。

A.親密な関係では急に気楽でいられなくなること、そうした関係を形成する能力が足りないこと、および認知的または知覚的歪曲と風変わりな行動で特徴づけられる、社会的および対人関係的な欠陥の広範の様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる、以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示される。

  1. 関係念慮(関係妄想は含まない)
  2. 行動に影響し、下位文化的規範に合わない奇異な信念、または魔術的思考(例:迷信深いこと、千里眼、テレパシー、または”第六感”を信じること;子ども及び青年では、奇異な空想または思い込み)
  3. 普通でない知覚体験、身体的錯覚も含む
  4. 奇異な考え方と話し方(例:曖昧、まわりくどい、抽象的、細部にこだわりすぎ、紋切り型)
  5. 疑い深さ、または妄想的観念
  6. 不適切な、または収縮した感情
  7. 奇妙な、風変わりな、または特異な行動または外見
  8. 第一度親族以外には、親しい友人または信頼できる人がいない
  9. 過剰な社交不安があり、それは慣れによって軽減せず、また自己卑下的な判断よりも妄想的恐怖を伴う傾向がある

B.統合失調症、「双極性障害または抑うつ障害、精神病性の特徴を伴う」、他の精神病性障害、または自閉スペクトラム症の経過中にのみ起こるものではない

(出典:DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引

他のパーソナリティ障害との鑑別

統合失調型パーソナリティ障害と共通の特徴を持つパーソナリティ障害も存在するため、しばしば混同されがちです。そのため、それぞれの特徴の違いに基づいて区別することが重要です。

しかし、その人が統合失調型パーソナリティ障害に加えて1つまたはそれ以上のパーソナリティ障害の基準を満たすような場合は、それらすべての診断を下すことができます。

また、統合失調型パーソナリティ障害は妄想性および統合失調型パーソナリティ障害と鑑別可能です。統合失調型に見られる奇妙で解体した思考や行動が見られない点で鑑別することができます。

統合失調型パーソナリティ障害の治療

統合失調型パーソナリティ障害の一般的な治療はすべてのパーソナリティ障害に対するものと同じです。

統合失調型パーソナリティ障害では、薬物療法、認知行動療法TMS治療が選択肢として挙げられます。

この障害を持つ人はしばしば、パーソナリティ障害自体の特徴よりも不安や抑うつ、不快な感情などの関連症状に対して治療を求めるケースがあります。

薬物療法

薬物療法はこの障害の主な治療法となっています。抗精神病薬によって不安や精神病様症状を軽減したり、抗うつ薬によっても不安の緩和が期待できます。

認知行動療法

認知行動療法では、特に社会的技能の習得および不安の管理に焦点を当てた治療が有用なことがあります。また、支持的精神療法も有用です。対人関係における防御機構を発達させるのを支援する目的で行われることがあります。

TMS治療(時期刺激治療)

TMS治療は頭部に特殊なコイルを当て、脳に磁気刺激を与えて脳神経のネットワークのバランスを改善し、正常な活動に戻す治療法です。アメリカを始めとする欧米では普及が進んでいます。日本ではまだ一部の医療機関でしかTMS治療を受けることはできませんが、当院では治療が可能です。

パーソナリティ障害自体にTMS治療に治療が有効であるという論文が2019年に発表されています。(J Psychiatr Pract. 2019 Jan;25(1):14-21.)

薬物療法と比べて副作用の心配もなく、治療期間も短く済みます。

また、パーソナリティ障害に合併しやすい発達障害についても改善することが可能です。

TMS治療について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

まとめ

統合失調型パーソナリティ障害は対人関係に問題が生じるため、社会生活で困難を感じることが多いです。複数の治療法を組み合わせることで改善が期待できますので、まずは患者本人が治療に向き合う環境を作れるよう、周囲の人はサポートをするようにしましょう。


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