認知行動療法(CBT)とは?方法や効果、種類について解説
発達障害専門外来
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認知行動療法(CBT)とは?方法や効果、種類について解説

認知行動療法は、様々な精神疾患に対して効果があるとされている心理療法の一つです。今回は、認知行動療法がどのような症状の際に選択されるのか、その効果や種類について解説します。

認知行動療法とは?

認知行動療法は認知にはたらきかけて気持ちを楽にする精神療法の一種です。

そもそも認知とは、ある物事が起きたときの受け取り方や考え方という意味です。

精神疾患を抱えている患者や、ストレス耐性の低い方は、何かストレスを感じるような出来事が発生したとき、それを悲観的に捉え、悪い方向にばかり考えてしまうことが多いです。

認知行動療法では、こうしたネガティブな考え方を変えていき、ストレスとの上手な付き合い方を習得する方法といえます。

認知・感情・行動の関係性

認知行動療法の考え方

私達は、何かが起こり、それに対して嫌な気分になったとき、その原因を「出来事」のせいだと考えてしまいます。

しかし、認知行動療法ではそのような考え方はせず、「出来事に対して自分が何を考え、どう行動したか」が気分を決めているのだと考えます。考え方や行動に目を向けて治療していくのは、この考えに基づいています。

もう少し具体的な例で見てみましょう。世界の大発明家として名高いエジソンは、以下のような名言を残したとされています。

I have not failed. I’ve just found 10,000 ways that won’t work.(私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまくいかない方法を見つけただけだ)

これも、物事の捉え方(=認知)によって出来事をポジティブに捉えているからこそ、何度失敗しても諦めずに挑戦し続けることができたと考えられます。

捉え方によっては、1万回も失敗したら「自分には才能がない」と感じて諦めてしまうものですが、認知の仕方ひとつで出来事の持つ意味は変わってくるのです。

このように、出来事の認知の歪みによって生じる憂うつ感やつらい感情を軽減するために、認知や行動を変えていくことが認知行動療法の基本的な考え方です。

認知行動療法の具体的な流れ

認知行動療法を受ける際は、医師やカウンセラーのもとで受けられます。

認知行動療法にもいくつか方法があるため、具体的には以下のようなステップで患者さま一人ひとりに合った治療を進めていきます。

  1. 本人が問題に感じていることの確認や評価(情報収集・整理)
  2. なぜその症状が起きるのかを説明(心理教育)
  3. 治療目標の確認と、治療の実施
  4. 記録や評価に基づいた治療のステップアップ・修正
  5. 症状改善後、再発防止を目的とした心理教育

認知行動療法では、多くの場合医師やカウンセラーとの面談だけでなく、ご自宅での活動や、ある出来事が生じたときの気持ちを記録するという方式が取られます。

認知行動療法が選択されるケース

認知行動療法は現在多くの精神疾患の治療に取り入れられています。単独で選択されるケースと、薬物療法と並行して行われるケースがあります。

下記のような精神疾患の際に認知行動療法が選択されることがあります。

  • うつ病
  • 不安障害(社交不安・対人恐怖など)
  • パニック障害
  • 強迫性障害
  • PTSD(心的外傷後ストレス障害)

それぞれの症状によって、選択される認知行動療法の種類も変わってきます。医師やカウンセラーと相談しながら進めていきましょう。

また、認知行動療法は犯罪行為の再発防止プログラムとしても利用されています。以下のような犯罪や問題行為の再発防止のために取り入れられています。

  • ストーカー
  • 性犯罪(痴漢、盗撮など)
  • 依存症(アルコール・ギャンブル・薬物など)
  • 窃盗

【参考】

認知行動療法の効果

認知行動療法は世界中で研究されており、治療の効率性や効果の高さが世界中で評価されています。

薬物療法より効果が高いケースもある

イギリスの研究では、パニック障害や強迫性障害において、7割の治療で薬物療法よりも高い効果が示されたという結果が示されています。

再発率が低い

各国で行われている追跡調査でも、薬物療法に比べて認知行動療法は再発しにくいという結果が出ています。

再発の可能性が高い精神疾患も多い中、再発率を低く抑える事ができるのは有効な治療法と言えます。

認知行動療法のメリット・デメリット

認知行動療法は治療効果も高く、メリットしかないようにも感じられますが、現状ではいくつかのデメリットも存在します。メリット・デメリットに分けてそれぞれ見ていきましょう。

メリット

  • 副作用がない
  • 薬物療法と同等の効果がある
  • 精神疾患の予防にもなる

認知行動療法は薬物を使わないため、基本的に副作用はありません。また、認知行動療法を継続することで再発率の高い精神疾患の予防的効果もあります。

デメリット

  • 長期的な治療になる
  • 保険適用外になるケースがある
  • 効果がわかりにくい場合がある
  • 認知行動療法を実践できる専門機関が少ない

薬物療法に比べて治療期間が長くなってしまうことと、一部の精神疾患では保険適用外になってしまうことがあります。また、そもそも認知行動療法を提供できる医療機関が少ないというのも現状の問題点です。

認知行動療法の治療期間

認知行動療法は、基本的には治療面談を10~20回程度行います。全体の治療期間は3ヶ月~1年ほどになり、その期間は行動記録表を作成したりすることがあります。つまり、ただ治療面談を受ければいいというものではなく、ご自宅でも治療意識を持って継続して治療と向き合う必要があります。

治療期間が長いと思われる方もいらっしゃいますが、その分再発率も低くなるため、長期的な視点で見れば実施するだけの価値のある治療と言えるでしょう。

認知行動療法の種類

認知行動療法には様々な種類があります。

行動療法

曝露療法

エクスポージャー法とも呼ばれます。

不安に感じている対象や状況を列挙し、それを段階に分けます。そして、レベルの低いもの(頑張ったら克服できそうなもの)からあえて経験し、徐々に克服していきます。完全に克服できたら次のステップに移り、徐々にレベルの高いものを克服していきます。

リラクセーション法

身体を特定の行動によってリラックスさせ、不安を緩和する方法です。自律訓練法などもこれにあたります。

呼吸法

座禅やヨガにも取り入れられてきたもので、呼吸を介して自律神経にはたらきかけ、リラックスしていきます。

モデリング法

症状が現れる場面において、他者が問題なく適応している様子を見せることで症状を消去させる方法です。

たとえば、犬を怖がっている人に対して、犬と仲良く遊んでいる人の姿を見せ、問題なく適応できるのを見せたりします。

バイオフィードバック法

各種センサーを装着し、筋緊張、血圧、脈拍、呼吸、脳波などを測定しながら、普段意識していない自分の身体の状態に気づき、コントロールできるようにするトレーニング法です。

最終的には装置を使わなくても身体の状態を把握し、コントロールできるようにしていきます。

認知療法

ベックの認知療法

ペンシルベニア大学の教授であるアーロン・T・ベックによって開発された方法です。

自動思考スキーマと呼ばれる概念に着目するのが特徴です。

自動思考は認知のひとつで、何かが起きたときに瞬間的に頭に浮かぶ思考のことを指します。例えば、犬を見たときに「怖い」と思うなどです。

この自動思考のもとになっているのが「スキーマ」と呼ばれるもので、普段意識しているものではないものの、自動思考に影響を及ぼしていると考えられています。

ベックの認知療法では、このスキーマの偏りを意識し、さまざまな精神疾患の治療を行うものです。

エリスの論理療法

アメリカの臨床心理学者であるアルバート・エリスが生み出した心理療法です。倫理情動行動療法、ABCDモデルなどと呼ばれることもあります。

人々の持っている不条理な信念に対して焦点を当て、その変容を目指します。

例えば、「部下の前では常に完璧な上司でいなければならない」が不条理な信念だとすると、「部下の前でミスをすることもある」「完璧じゃなくてもついてきてくれる」と思えるようになるだけでも、気持ちが楽になります。

その他の療法

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)

思考や感情を変えようとはせず、あるがままを認める認知行動療法です。

つらい、苦しいという思いを一旦受け止め、客観的に観察し、どうしたらその状況から抜け出せるか、距離を取れるかを考えられるようにするのが目標です。

マインドフルネス認知療法

MBCTとも呼ばれます。瞑想を通してマインドフルネスの状態になり、ネガティブな思考を減らしたり、恐怖や不安を調整したりする効果があるとされています。

うつ病などの再発予防効果が実証されており、イギリスでは費用対効果の見込める予防プログラムとしてNICE(国立医療技術評価機構)によって推奨されています。

その他にも、以下のような方法が存在します。

  • メタ認知療法
  • 弁証法的行動療法
  • 行動活性化療法
  • 問題解決療法
  • スキーマ療法
  • EMDR
  • SST
  • アサーション・トレーニング

認知行動療法のセルフケア

認知行動療法は専門家の指導のもとで行うほかにも、自分で取り組むことでも効果があります。

当院のセルフケアサポート外来では、認知行動療法をはじめとしたセルフケアの方法について医師や心理士がご説明させていただき、患者さま一人ひとりに合ったセルフケアをご提案いたします。ご興味のある方は以下のリンクを参照し、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

認知行動療法は世界中で研究が進められている治療法です。薬物療法よりも高い効果が得られる場合があるとも報告されています。薬に頼らない精神疾患治療の選択肢として検討してみると良いでしょう。


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