発達障害に対する最新のTMS治療がなぜ効果があるのか?【医師が分かりやすく解説】
発達障害専門外来
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発達障害に対する最新のTMS治療がなぜ効果があるのか?【医師が分かりやすく解説】

坂 副院長坂 副院長

 発達障害の症状が改善するメカニズムについて説明しましょう。


発達障害の症状をきたすのは、大脳皮質の神経シナプスの可塑性異常なのではないかと最近の研究から指摘されています。

可塑性には神経シナプスを結合させるLTPという働きと、不要な回路を離すLTDという働きがあります。

発達障害では神経シナプスを結合させるLTPという可塑性に関する機能が通常より過剰になっており、一度結びついたシナプスの結合が強固です。

通常は混線したネットワークはLTDの働きで解除され、ネットワークは綺麗に整理整頓された状態になります。

神経のシナプスの結合の発達と機能

発達障害の特性を持っていると、寝ている間に誘導されるはずのLTDが誘導されにくいことも指摘されています。

これが寝ていても寝たような気がしないなどの症状に繋がります。

発達障害に関連している遺伝子は神経のシナプスの結合の発達と機能に関与している遺伝子であることが分かっています。

マウスLTP増強テスト

長崎大学はマウスにLTPを増強するように遺伝子を組み込んだところ、こだわりが強くなったり、引きこもったり、音に対する過敏反応を示すことを発表しました。(理化学研究所 脳科学総合研究センターの有賀 純氏の研究より)

では神経シナプスの可塑性をターゲットとした治療法はあるのでしょうか?

近年注目され始めたTMSは神経シナプスの可塑性をターゲットにしています。

従来の薬物療法は対症療法にとどまり、効果がでないことがあったり、副作用や薬を飲み続ける必要があるなど、根本的な治療にはなっていません。

ではTMS治療の効果に関して解説していきます。

欧米に遅れを取っている日本のTMS治療

TMS(経頭蓋磁気刺激)治療は、積極的に活用されている欧米に比べ、日本で扱っている医院は、まだ少ない状態です。

日本の先端医療はアメリカから5年以上遅れを取っていると言われており、発達障害とTMSに関する日本語の文献は多くはありません。

ハーバード大学、ブラウン大学、ノースカロライナ大学などの大学で経頭蓋磁気刺激(TMS)の研究がなされ、欧米では一般のクリニックでも臨床応用が進んでいます。

PubMedというNIH( アメリカ国立衛生研究所)が運用している論文検索サイトでは発達障害とTMSに関して数々の報告があります。

TMSが得意とするのは発達障害、薬物治療が効きにくい二次性のうつ病ですが、現在では、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、統合失調症、アルツハイマー型認知症などの精神疾患、脳梗塞の後遺症、パーキンソン病などの疾患、慢性疼痛、耳鳴などの疾患にも応用が広がっています。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)に対するTMS治療

Xianju Zhou氏が2018年に発表した102th Hospital of People’s Liberation Army of Chinaにおける臨床研究ではADHD(注意欠陥・多動性障害)に対するTMS治療の高いエビデンスが示されています。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)に対するTMS治療 集中力

ADHD(注意欠陥・多動性障害)に対するTMS治療 集中力

(Neuropsychiatr Dis Treat. 2018; 14: 3231–3240. Xianju Zhou et.al)

刺激方法としては右DLPFCに対して、高頻度刺激を行っています。

いわゆる薬物治療は薬を飲んでいる時のみ効果がありますが、経頭蓋磁気刺激(TMS)は治療完了後も持続した効果があります。

TMS(経頭蓋磁気刺激)治療はADHD(注意欠陥多動性障害)の集中力、多動や衝動性、攻撃的な行動を改善することが臨床研究で明らかになっており、数々の論文が報告されています。

薬物治療のような副作用も報告されておらず、一生薬を飲み続けなければならないということもありません。

15-30回の治療で安定した治療効果を得ることが可能です。

ASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群・広汎性発達障害)のTMS治療

2017年に発表されたブラジルのCaio Abujadi氏がサンパウロ大学で9歳から17歳のASD(自閉症スペクトラム)の男性に対して臨床研究が行われました。

右のDLPFC(背外側前頭前野)に対して、シータバーストという高頻度刺激を3週間かけて施行し、RBS-R, YBOCS, WCST, Stroop testの4つの評価尺度で、自閉症スペクトラムの繰り返しの行動や、こうしなければならないというべき思考、認知の機能に改善が見られたことが示されました。

(Rev Bras Psiquiatr. 2018 Jul-Sep; 40(3): 309–311. Marco A. Marcolin et.al )

2018年に発表されたアメリカのサウスカロライナ大学の
Manuel F. Casanova氏は、正常知能の124人のASD(自閉症スペクトラム)の患者をいくつかのグループに分け臨床研究を行いました。

低頻度刺激を 右左のDLPFC(背外側前頭前野)に対して、組み合わせて施行することで、行動に改善がみられることを示しました。

アスペルガー TMS

(Front Syst Neurosci. 2018; 12: 20. et.al )

まとめ

TMS治療の顕著な効果の一つが、発達障害に見られる「こうあるべき」という完璧思考が改善されることです。

また緊張の緩和にも有効です。


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