シゾイドパーソナリティ障害とは?症状、原因、診断、治療について精神科医が解説
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シゾイドパーソナリティ障害とは?症状、原因、診断、治療について精神科医が解説

他者や社会に関して無関心で、周囲からは一匹狼のように見えるし、批判されても気にしない。そんな人は、シゾイドパーソナリティ障害の可能性があります。

今回は、シゾイドパーソナリティ障害の症状や診断、治療についてご紹介します。

パーソナリティ障害全般については以下の記事を参照してください。

パーソナリティ障害の特徴、種類、診断、治療について精神科医が解説

シゾイドパーソナリティ障害とは

そもそもシゾイド(Schizoid)とは、「社会的に孤立していて、対人接触を好まず、感情の表出が乏しく、何事にも興味や関心が無いように見える」という性格特徴を表す言葉です。

英語の意味は「精神分裂病傾向の、分裂質の」という意味です。

他に、統合失調質パーソナリティ障害、スキゾイドパーソナリティ障害と呼ばれることもあります。

有病率

有病率は、「全米併存症再調査研究パートⅡ」によると4.9%と推定されています。また、2001~2002年に行われた「全米におけるアルコールおよび関連疾患に関する全国疫学調査」では3.1%と推定されています。男女比では男性のほうが多く見られ、なおかつ強い障害を引き起こすようだと考えられています。

経過

シゾイドパーソナリティ障害を抱える人は周囲から孤立することが多く、友達ができない、学業成績が良くないといったことから明らかになることが多いです。また、他者との関わりをあまり持たないため、周囲からは変な人だと思われ、いじめにあうこともあります。

原因

原因ははっきりとはしていませんが、統合失調症または統合失調症型パーソナリティ障害を持つ人の親族で高くいなっているかもしれないという遺伝的要因が考えられています。

シゾイドパーソナリティ障害の症状

シゾイドパーソナリティ障害は、上記の言葉のとおり、社会的関係からの離脱、対人関係場面での情動表現の範囲の限定などが見られるものです。人と親密な関係を築きたいという思いがなく、そういったことで満足感を得ることができないです。

具体的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 他者との関わりを好まない
  • 1人で楽しむ趣味ばかりである
  • 他者との性体験に全く興味がない
  • 他者から何を言われても無関心
  • 喜びを感じる行動が少ない
  • 友人がほとんどいない
  • 挑発されても怒ることができない
  • 笑ったりうなずいたりという反応がない

シゾイドパーソナリティ障害の診断

DSM-5では、シゾイドパーソナリティ障害は以下のように定義されています。

A.社会的関係からの離脱、対人関係場面での情動表現の範囲の限定などの広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち4つ(またはそれ以上)によって示される。

  1. 家族の一員であることを含めて親密な関係を持ちたいと思わない、またはそれを楽しいと感じない
  2. ほとんどいつも孤立した行動を選択する
  3. 他人と性体験を持つことに対する興味が、もしあったとしても、少ししかない
  4. 喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても、少ししかない
  5. 第一度親族以外には、親しい友人または信頼できる友人がいない
  6. 他人の賞賛や批判に対して無関心に見える
  7. 情動的冷淡さ、離脱、または平板な感情状態を示す

B.統合失調症、「双極性障害または抑うつ障害、精神病性の特徴を伴う」、他の精神病性障害、または自閉スペクトラム症の経過中にのみ起こるものではなく、他の医学的疾患の生理学的作用によるものでもない

(出典:DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引

上記のような特徴が見られたときに診断されますが、診断の際には注意すべき点もいくつか存在します。

たとえば、田舎から大都市に転居した人々は「情動的凍結」という反応を見せることがあります。また、他国からの移民も冷たい、敵意がある、無関心だと受け取られることがあります。そのため、その人の文化的背景を考慮した上で診断することが必要です。

他のパーソナリティ障害との区別

シゾイドパーソナリティ障害と共通の特徴を持つパーソナリティ障害も存在するため、しばしば混同されがちです。そのため、それぞれの特徴の違いに基づいて区別することが重要です。しかし、その人がシゾイドパーソナリティ障害に加えて1つまたはそれ以上のパーソナリティ障害の基準を満たすような場合は、それらすべての診断を下すことができます。

例えば統合失調型パーソナリティ障害は、近く及び思考の歪みが特徴です。このような特徴はシゾイドパーソナリティ障害には見られないため、区別することが可能です。

また、回避性パーソナリティ障害は恥をかいたり拒絶されることへの恐れから社会的孤立が生じますが、シゾイドパーソナリティ障害は社会的関係への無関心から生じるもののため、区別が可能です。

シゾイドパーソナリティ障害の治療

シゾイドパーソナリティ障害の一般的な治療は、他のパーソナリティ障害に対するものと同じです。

シゾイドパーソナリティ障害患者は他者に対する関心がないため、変化するように動機づけを行うことが難しい場合があります。そのため、治療者は患者の趣味について興味を持ち、共有する努力をすることで、治療的交流ができることがあります。

集団療法の環境ではずっと黙っていることがありますが、一緒に治療を受ける人達と交流をする可能性もあります。

また、薬物療法によって周囲を拒絶する反応が弱まることもあります。抗精神病薬、抗うつ薬などが有効だった患者もいますが、薬物療法について公表された対照試験はありません。

また、シゾイドパーソナリティ障害に合併してうつ病を発症することもあり、そういう場合はTMS治療も有効です。

TMS治療は頭部に特殊なコイルを当て、脳に磁気刺激を与えて脳神経のネットワークのバランスを改善し、正常な活動に戻す治療法です。アメリカを始めとする欧米では普及が進んでいます。日本ではまだ一部の医療機関でしかTMS治療を受けることはできませんが、当院では治療が可能です。

パーソナリティ障害自体にTMS治療に治療が有効であるという論文が2019年に発表されています。(J Psychiatr Pract. 2019 Jan;25(1):14-21.)

薬物療法と比べて副作用の心配もなく、治療期間も短く済みます。

また、パーソナリティ障害に合併しやすい発達障害についても改善することが可能です。

TMS治療について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

TMS治療(経頭蓋磁気刺激)とは?投薬に頼らないうつ病、発達障害、不安、双極性障害の安全な最新治療法を医師が詳しく解説

まとめ

シゾイドパーソナリティ障害は他人に迷惑を掛けることがあまりないため、障害と認識されずに過ごしていることがあります。本人がその特性によって持続的に苦しんでいる場合に診断されます。心配な方は精神科や心療内科を受診するようにしてください。


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