発達障害とIQに関して【医師が分かりやすく解説】
坂 副院長坂 副院長

IQとは、抽象化思考を使って結果を操作する能力の高さを言います。ここではアスペルガー症候群やADHDなど発達障害とIQに関して解説していきます。

高いIQの人は以下のような特徴があります。
  • 見識が広い
  • 知的好奇心が高い
  • 情報処理能力が高い
  • 一般的なウェスクラー式の知能検査による知能の段階表は以下の通りです。
    IQ130以上 非常に優れている
    IQ120~129 優れている
    IQ110~119 平均の上
    IQ90~109 平均
    IQ81~89 平均の下
    IQ70~80 境界線
    IQ70未満 知的障害

    ギフテッドに関して

    ギフテッド(英: Gifted, Intellectual giftedness)とは、生まれながらに非常に高い知的能力(IQ)を持っている人のことです。
    ギフテッドと発達障害は併発していることも多いです。
    発達障害の症状がなく、ギフテッドのみを持っている人が英才などと言われることもあります。

    自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)とIQ

    知能指数(IQ)が高いアスペルガー症候群の人は「IQの高低幅」があり、IQの高い時とIQの時の差があり、思考能力にムラが出ます。
    理論的・合理的な思考が出来る時もあれば、ちょっとした思い込みに囚われてしまうこともあります。

    高いIQを持つアスペルガー症候群の人とギフテッドと呼ばれる人の共通点

  • 過集中する
  • 完璧主義
  • 論理的思考能力が高い
  • 高いIQを持つアスペルガー症候群の人とギフテッドと呼ばれる人の相違点

    アスペルガー症候群 ギフテッド
    リーダーシップの行使 苦手 得意
    人の感情を推測する 苦手 得意
    ルーチンワーク どちらかと言うと好き 嫌い
    運動・スポーツ 苦手なことが多い 得意

    注意欠陥・多動性障害(ADHD)とIQ

    注意欠陥・多動性障害(ADHD)の人のIQは標準より低いことが言われていましたが、最近まで理由が明らかではありませんでした。
    最近の研究で、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の人が、全体としてIQが低いのではなく、IQの特に低下している一部の集団により平均値が低下している事が明らかになり、そのグループは生まれてくる周産期の時に問題を生じていたり、他の精神疾患を合併している確率が通常より高い事が指摘されています。 (Can J Psychiatry. 2012 Oct;57(10):608-16.
    注意欠陥・多動性障害(ADHD)の人は自分の楽しめることにしか集中力を発揮できないことも多いので、IQテスト自体に集中出来ていない場合は、実際の思考能力より低くIQが計測される可能性もあります。

    学習障害(LD)とIQ

    学習障害(LD)と知的障害の明確な違いは、学習障害(LD)では知的障害はないことです。
    学習障害(LD)はウェスクラー式IQによって分かりやすく2つのグループに分類できます。

    全体的なIQが70~89程度の場合

    知的障害とは診断されないものの、境界線~平均の下で、学校の成績や日常的な会話の内容から、学習障害(LD)の疑いがあると直ぐに分かるタイプです。

    全体的なIQは90以上の場合

    IQは平均に分類されるために、周りの人から気づきにくく、診断が遅れがちです。
    「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」の能力のどれかに関連する領域のIQが89以下に低下しており、低下している分野に困難生じています。

    高いIQの発達障害の人のIQの推移

    子どもの時、高いIQを示した発達障害の児童は大人になっても、継続して高いIQを示したという研究があります。

    まとめ

    発達障害の傾向があると、人間関係において孤立しやすいです。
    さらに高いIQを持った発達障害の人は、物事の核心や理論を重視した発言が多く、雑談が得意ではないため、周囲の人と会話が成り立ちにくいいことい事がよく起こります。
    良い頭脳を持っていても、周囲に理解されず、生きづらさを感じてしまいます。
    IQの差によってストレスを感じるのであれば、適切な集団の中に身を置くことも重要かも知れません。