発達障害(ADHD・ASD)の恋愛のコツ。注意することやパートナー・親の関わり方
発達障害を抱えていると恋愛が難しいのではないかと思う方もいると思いますが、特性に合わせて対策をすれば恋愛を楽しむことは可能です。
世の中には発達障害を抱えていても恋愛をし、結婚してパートナーと幸せに暮らしている方はたくさんいます。
今回は、発達障害(ADHD、ASD)の人が恋愛で困ることや注意すべきこと、パートナーや親の関わり方について解説します。
発達障害の人が恋愛で困ることは?
ADHD(注意欠陥多動性障害)の場合
ADHDの特徴である『不注意』『多動性』『衝動性』が原因でトラブルや悩みを抱えてしまうことが多いです。
不注意ゆえにデートの日程や大切な記念日を忘れてしまったり、衝動性が強いがゆえに相手の気持ちがわからず、思ったことを衝動的に発言、行動してしまうなどがあります。
ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)の場合
ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)の特徴である『社会的コミュニケーションの困難』がトラブルの原因になることがほとんどです。
相手の気持ちを読み取ったり、目的のない雑談をするのが苦手なため、相手を怒らせてしまったり、不満を与えてしまうことがあります。
また、空気を読むのが苦手なため、余計な一言を言ってしまって雰囲気を悪くしてしまうこともあります。
発達障害の恋愛のポイント
発達障害の恋愛は、定型発達よりも多くの悩みや困難に直面します。
悩みを解決して楽しく恋愛をするためには、「発達障害を隠さない」ことが大切です。
- 自分の障害特性を自分自身で理解し、相手に伝える
- 困っていることを相談し、意見を聞く
この2点を重視して、悩みごとはパートナーにも共有するようにしましょう。
パートナーも発達障害の特性を知って理解すれば、お互いが困らないように工夫できます。
悩み事を共有するためには、自分が苦手なことを知ることから始めましょう。
発達障害の人の恋愛の悩みの例
ADHD(注意欠陥多動性障害)の例
「デートの日程や場所を忘れてしまい怒られた。」と悩んでいた。
そんなときはまず、
「これはADHDの不注意が原因で、忘れっぽいところがあるんだ」
「だから困らせて怒らせてしまったのだ」
と気づくことが大切です。
何が原因で悩んでいたのかわかることで、解決策がおのずと見えてくる気がしませんか?
「デートの日程や場所を忘れてしまい怒られた」
→「忘れっぽいのが自分の特性だからカレンダーや手帳に記入しよう!」
→「恋人に特性を伝えて直前に確認し合おう!」
など、解決策がわかり悩みを解消することが出来ます。
恋人に伝えることで相手に理解してもらい、一緒に解決策を見つけ出すことで絆も深まり相手を知るきっかけにもなります。
ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)の例
「恋人に太った?と聞いたら不機嫌になってしまった」と困っていた。
そんなときはまず、家族や友人に相談してみましょう。
「相手が気にしてることをはっきり伝えすぎたんじゃないかな?」
「もう少しこう伝えてあげても良かったんじゃない?」
など、考えられる相手の気持ちを教えてくれます。
ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)の人は相手の気持ちを表情や仕草から読み取ることが苦手です。<\p>
そもそも、相手の気持ちは定型発達の方でも感じ取るのが難しいです。そのため、友達同士でカフェで話したり、居酒屋でお酒を飲みながら、相手が何を思っているのか分からないと友人に相談しています。
恋愛の相談は何も恥ずかしいことではありません。誰もがやっていることなのです。
もちろん、親御さんも過去に恋愛の経験はあるでしょう。
ですから、一人で悩まず心を開ける相手に相談して意見をもらうことで悩みを解消していくことが大切です。
悩みを相談してアドバイスを受けるうちに、相手の気持ちや行動のパターンが見えてきて、感情を読み取れるようになっていきます。
発達障害の子どもの恋愛
発達障害の有無に関わらず、思春期になると恋愛に興味は湧くものです。
「恋愛ってどうやって進むんだろう?」
「相手はどう思ってるんだろう?」
などわからないことがたくさん出てくる時期です。しかし恋愛に対してのスキルや知識はもちろん学校では教えてくれません。
そのため体験や経験を重ねて自然と学ぶことが主になります。
発達障害がある子どもの場合、周囲とコミュニケーションを取るのが苦手な子も多いので、「相手の気持ちを考えるって?」となりやすい傾向にあります。
そのため、「好き!!」という気持ちが先行してしまい、衝動的に突っ走ってしまうケースがあります。
恋に悩む発達障害の子どもに対して親はどうすればいいの?
発達障害の子どもが恋愛で悩んでいるとき、どうすればいいのだろう?と悩む親御さんは多いですよね?
そんなとき一番大切なのは…
- 子どもが抱えている悩みを否定しない
- 必要に応じて相談にのり、アドバイスをする
この2つが大切です。
中には「上手くいかなくて傷ついたらどうしよう」と心配もあるのは当然です。
冒頭にも言いましたが、恋愛は誰にでも難しいものです。さらに発達障害の特性があるのであれば恋愛をすることがより難しく感じるのは、無理もありません。
ですが、恋愛は相手の気持ちを考える、人間関係を学ぶいい機会でもあります。自分の思い通りにいかないことを知り、失敗して傷ついてもそれで成長することが出来ます。
そのため、まずは子どもの抱く恋愛感情を受け入れてあげましょう。受け入れた上で、子どものニーズに合わせてサポートすることが大切です。
発達障害の子どもの恋愛の相談に乗ってほしいと言われた場合
まずは否定せず人生の先輩としてアドバイスをしてあげましょう。
逆に相談をする素振りがない場合、素振りを見せないだけで、本当は悩んでることがあるかもしれません。
だからといってなんでも聞き出そうとしてはいけません。
子どもから言ってくるのを待ってみるのも大切です。何でもサポートするのではなく、悩んでるときに気分転換を促してみたり、一緒にストレス発散出来る機会を作り支えになってあげましょう。
発達障害の子供の場合、わかりやすいルールを明示してあげることも大切です。
恋愛は「なんとなく知っている」と扱われることがほとんどです。ですが、発達障害のある子どもは「察する・感じ取る」ということが苦手で難しい子も多数います。
そのため周りが「暗黙の了解」で把握していることがわからないため、親御さんから以下のような恋愛に関するルールを教えてあげるのがいいでしょう。
- 相手も好きかどうかはわからない
- 気持ちを確かめる、確認する方法は様々ある
- 告白しても断られることもある
- 相手の気持ちは言葉だけではわからないので、メールや電話でも相手のことを考える
また、何が良くて何がだめなのかわからずトラブルや犯罪に発展する可能性もあるので、やってはいけないことは明確に教えてあげましょう。
- 許可なく異性に触らない
- 門限を守る
- 出かける相手と行き先、帰宅時間を必ず親に伝える
など、年齢に応じてルールをきちんと伝えましょう。
発達障害の大人の恋愛
成人になると、自分の意思で行動しその行動に責任を持つ必要があります。それは恋愛でも同じことです。
成人した大人の場合、恋愛にまつわる失敗経験も子どもの頃より増えます。その影響で大人になってもなかなか恋愛に積極的になれない、恋愛が怖いと感じている人もいるかもしれませんが、発達障害だからといって恋愛・結婚が出来ないわけでは決してありません。
最近は障害者向けの婚活パーティーなど、出会いのきっかけを与えてくれる場も増えてきているため、このようなイベントに参加するのも障害を気にせず恋愛を楽しむきっかけになるのではないでしょうか?
発達障害のパートナーと上手く付き合うには?
パートナーが発達障害の場合、発達障害の特性に合わせ生じる悩みや不満は変わってきます。では、どのようにサポートしていけばいいのか解決策を見ていきましょう。
発達障害の特性を理解し、不満の原因を見つける
「忘れっぽくて困ってる」
「こちらの気持ちを考えない言動が多い」
「自分の友人とコミュニケーションを取ろうとしない」
このようにパートナーに対して、様々な不満や悩みを抱いてる人も多いのではないでしょうか?
ですがこれらは発達障害の特性と合わせていくと、共通していたり関係性が見えてくることもあります。
「なぜだろう?」
「原因はなんだろう?」
と考えていたものが、「発達障害の特性か!」と分かるだけですっきりすることもあります。
自分の考えや意図を伝える
発達障害がある人は相手の意図や感情を読み取るのが苦手です。そのためこちらが困っている、直してほしいと思っていても、悪気なくそのような行動や発言をしている可能性があります。
もし困っている、直してほしいというところがあったら、「何が嫌だったのか」「なぜ嫌なのか」「どうしてほしいのか」を具体的に、丁寧に伝えることを心かけましょう。
伝え方を工夫すれば素直に受け入れてもらえ、良好な関係性を維持できると思います。
あまりに辛くなったり、落ち込んだりすることがあったら距離を置いてみる
上記のように話し合いをし、こちらの意思を伝えても悩みやストレスが改善されない場合は、ある程度距離を置くことで抱えているストレスや悩みが改善することもあります。
通常だと、ただ「距離を置きたい」と伝え簡単に理由を説明すれば解決しますが、発達障害の人は、定型発達の人よりも「そこまで言わなきゃわからないの?」「なんで察してくれないの?」と感じることもあるほど、「距離を置きたい」の言葉の裏側にある気持ちを読み取るのが難しいです。
ですから、少し距離を置きたいと思った場合は、感情的に不満をぶつけるのではなく「何が不満だったのか」「どうして距離を置きたいのか」丁寧に理由を説明することを忘れないようにしましょう。
発達障害のパートナーとの生活を取り上げた作品を読んでみる
最近はTwitterやInstagram、そしてnoteなどで自分の生活を発信する方が増えてきました。
そのなかでも、発達障害を抱えるパートナーとの生活や恋愛について取り上げている方がいらっしゃいます。
TwitterやInstagramでは4コマ漫画形式の投稿が多く、noteでは日記やエッセイの形式で投稿されていることがあります。
発達障害の特性を分かりやすく理解できますし、発達障害のパートナーと楽しく暮らしている様子が分かることで自分の気持ちもポジティブにしてくれるでしょう。
- #発達障害
- #ADHD
- #アスペルガー症候群
などで調べてみると、関連した投稿が出てくるのでぜひ探してみてください。
パートナーが発達障害ならカサンドラ症候群には気をつけて!
家族や友人、恋人にアスペルガー症候群の人がいる人は、悩みやストレスを抱え解消されないまま悪化した場合にカサンドラ症候群を発症することがあります。
カサンドラ症候群の症状としては、偏頭痛や自立神経失調症といった身体的なものから、自己評価の低下やうつといた精神的なものまで様々です。
家族や恋人となれば生活の中で接する機会は多いですし、心を通わせたいと思うものです。それが難しくストレスを感じてしまうのは当然かも知れません。
その結果、心身ともに弱ってしまうこともあります。
もし、自分自身に異変を感じたら専門機関に受診・相談してみて下さい。
まとめ
発達障害がある人で恋愛結婚に悩んだり困っている人は大勢います。自分が発達障害でも、パートナーやその家族が発達障害でも、恋愛結婚において大切なのは、特性や個性、困りごとをお互いに理解することです。嬉しいこと、嫌なことを伝え合い、理解することで関係を深めましょう。自分とパートナーだけで解決できないときは周囲や専門機関に相談するなど、サポートを得ながら素敵な恋愛を楽しみましょう。
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15歳男性 ADHD、アスペルガー症候群合併
21歳男性 アスペルガー症候群、不安障害合併
22歳女性 アスペルガー症候群、うつ合併
8歳女性 学習障害、ADHD合併
技術の進歩により、治療前と治療後のQEEGの変化を客観的に評価することも可能になりました。
QEEG検査で脳の状態を可視化し、結果に応じて、薬を使わない治療など個人に合った治療を提案します。