ミュンヒハウゼン症候群とは?発達障害やパーソナリティ障害と合併しやすい?【医師が分かりやすく解説】
発達障害専門外来
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ミュンヒハウゼン症候群とは?発達障害やパーソナリティ障害と合併しやすい?【医師が分かりやすく解説】

皆さんの周りには、自分の病気を大げさに話したりする人はいませんか?

実は、実際よりも症状を重く話すことで周囲からの関心を引こうとする精神疾患があることが知られています。

今回は、ミュンヒハウゼン症候群について、症状や診断項目、原因、治療法をご紹介し、仮病(詐病)との違いについても解説します。

ミュンヒハウゼン症候群とは?

ミュンヒハウゼン症候群(英: Münchausen syndrome)は精神疾患のひとつで「虚偽性障害」とも呼ばれています。

1951年にイギリスの医師リチャード・アッシャーによって発見され、「ほら吹き男爵」の異名を持ったドイツ貴族ミュンヒハウゼン男爵にちなんで命名されています。

自分が怪我や病気であると偽り、周りの人の気を引いたり同情を買うことで精神的に満たされようとする行動が繰り返し見られます。

ちなみに、このミュンヒハウゼン症候群という名前は精神医学における診断名としては確立していません。基本的には「虚偽性障害」という診断名になることが多いです。

日本での罹患率

ミュンヒハウゼン症候群の罹患率ははっきりと分かっていません。しかし、患者の約1%がミュンヒハウゼン症候群の診断基準を満たす病像があると言われています。

代理ミュンヒハウゼン症候群という症状も存在する

代理ミュンヒハウゼン症候群は、自分ではなく他人や自分の子どもを傷つけ、他者からの気を引き精神的に満たされようとする症状です。

日本でも、代理ミュンヒハウゼン症候群の症例で有名になった事件があります。

2008年に京都で、母親が入院中の1歳10カ月の娘の点滴チューブに腐ったスポーツドリンクを混入したという衝撃的な事件がありました。

さらに、この母親の3人の子どもがこれまで病院で病死していたそうです。母親はずっと病気の娘を看病する献身的な母親でいたかったのだと供述しました。入院を継続してもらうには、子どもが病気であり続ける必要があったわけです。

ミュンヒハウゼン症候群の症状

ミュンヒハウゼン症候群の症状は、上記で述べたように周りの関心を引くために自分の身に起こっていない病や怪我を作り出したり、事を大きくするといったことが見られます。

ミュンヒハウゼン症候群の大きな特徴は、お金などを目的に偽ったりするのではなく、周りからの注目を集めることを目的としている点です。

周囲の関心を引く方法として、自分自身をわざと傷つけたり、病気を持った人の検体と自分の正常な検体を入れ替えたり、小さな出来事を大げさに話したりします。

同じように意図的に病気を装う症状として詐病(仮病)がありますが、詐病はお金や休暇など何かしらの経済的、時間的利益を得るのが目的です。そのため、手術や検査といった大きなリスクのある行為は避ける傾向にあります。しかし、ミュンヒハウゼン症候群の場合、精神的利益を目的としているため、手術や検査に積極的に協力する傾向にあります

ミュンヒハウゼン症候群を疑うチェック項目

  • 病歴が劇的であるが、一貫性を持っていない。
  • 治療を行っても症状が軽減するどころか、むしろ悪化する。
  • 陰性の検査結果が戻ってきたり、一連の症状に対する治療を終えたりすると、また別の新しい症状が現れたり、治療を求めて別の病院に移ってしまう。
  • 患者が医療について様々な知識をもっている。
  • 診断検査や外科的処置を受けるのに不自然に前向きまたは熱心である。
  • 多くの医師や病院を頻繁に何度も受診した病歴がある。
  • 医師が家族や過去に治療を受けた別の医師に話を聞くことに抵抗する。

ミュンヒハウゼン症候群の原因

はっきりとした原因はわかっていませんが、幼少期に精神的、肉体的な虐待を経験していることが関係していると考えられています。また、小児期に重度の疾患があったり、周囲に重病の身内がいたというケースもあります。

その他、発達障害やパーソナリティ障害(境界性パーソナリティ障害が多い)が関わっていることもあります。

病気を装うのは、人間関係や仕事上の問題を病気のせいにしたり、病院の医師や医療機関と関係をもったり、自分が特別な人間、あるいは医学知識をもつ有能な人間であるかのように見せたりすることで、自尊心を高めたり維持しようとしたりするための方法である可能性があります。

ミュンヒハウゼン症候群の治療

患者が偽っている病気に対して治療を受けると、患者は一時的に楽になったと言うこともありますが、その後は別の症状を訴え、さらなる治療を求める事が多いです。そのため、不要な治療を回避することが治療の重要な部分となります。また、ミュンヒハウゼン症候群の根本的な背景になっている発達障害パーソナリティ障害を治療する事が問題解決に有効な事が多いです。

ミュンヒハウゼン症候群かもしれないという自覚症状がある場合は、精神科を受診するのが良いでしょう。カウンセリング治療などを通し、症状の悪化を防いだり、パーソナリティ障害など別の障害があるかどうかも診断することができます。

パーソナリティ障害に関しては以下の記事を参照してください。

また、本人ではなく周囲がミュンヒハウゼン症候群である可能性に気づいた場合は、精神科の受診を促すようにしてください。その際、本人の自尊心を損なってしまわないように工夫が必要です。例えば本人の通っている医療機関に対してミュンヒハウゼン症候群である可能性を伝えて、医師から精神科の受診を促してもらうなどが良いでしょう。

まとめ

ミュンヒハウゼン症候群は患者のおよそ1%が該当すると言われている精神疾患です。この病気は本人よりも周囲の人が気づくことが多いため、治療には周囲の方の協力が必要になります。ミュンヒハウゼン症候群を発症した背景を理解するように努め、接し方について専門家に聞くのも良いでしょう。

病気の程度が悪化すれば自傷行為がエスカレートして、最悪の場合は命に関わるような事態にも発展します。異変を感じたらまずは精神科などに相談するようにしてください。


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