異食症の症状、原因、診断、治療について精神科医が解説
発達障害専門外来
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異食症の症状、原因、診断、治療について精神科医が解説

食べ物ではないものを日常的に食べてしまう、珍しい病気の人がいます。今回は、ときに栄養失調などを引き起こす異食症について、症状や原因、治療法を解説します。

異食症とは

異食症とは、非食用の物質を日常的に食べてしまう摂食障害の一種です。

食べてしまうものは人それぞれで、紙、粘土、泥、砂、毛、石鹸、チョーク、絵の具、金属、小石など多岐にわたります。

有病率

異食症の有病率は明らかになっていません。しかし、知的能力障害を持つ人の中では重症度が高いほど異食症の有病率は増加するようです。

経過

異食症は小児期、青年期、成人期に発症しうる病気ですが、その中でも小児期の発症が最も多く報告されています。

正常発達の子どもにも見られる一方で、成人では知的能力障害や他の精神疾患の経過中に起こりやすいようです。

また、妊娠中の女性は衝動的に異食行動を取ることがあります。鉄や亜鉛などの栄養不足が関係していると言われており、妊娠中のみに発症し、その後は自然に治ることが多いと言われています。その他の原因としては、体温調節機能が低下することで引き起こされるケース、精神的ストレスでセロトニンが不足し、感情や欲求が制御できないケースなどが考えられます。

異食症の症状

異食症の症状は、非栄養的、非食用の物質を食べるというものですが、併存症によって症状が異なります。

異食症の併存症として代表的なのは以下の疾患です。

  • 統合失調症
  • 強迫性障害
  • パーソナリティ障害
  • 発達障害(自閉スペクトラム症)
  • 知的障害
  • 認知症

併存症がある場合の症状

上記のような併存症がある場合の異食症は、そもそも食べ物かどうかを判断することが困難である認知の障害によって異食行動が起こっている可能性があります。

こういったケースでは、身近で手に取りやすいものを食べてしまうことが多くなります。以下のようなものが挙げられます。

  • 髪の毛
  • 絵の具
  • ひも
  • 鉛筆
  • ほこり
  • 糞便
  • 紙片

合併症の危険性

異食症は、基本的には非食用であっても身体には害のないものを口にするケースが多いですが、摂取するものによっては腸閉塞、腸管穿孔、トキソプラズマ症、トキソカラ症、鉛中毒、寄生虫の発生が確認されることもあります。また、栄養バランスの偏りによってビタミン欠乏症、鉄欠乏性貧血を発症することもあります。

異食症の診断

DSM-5では、異食症の診断基準について以下のように定義しています。

A.少なくとも1ヶ月間にわたり、非栄養的非食用物質を持続して食べる

B.非栄養的非食用物質を食べることは、その人の発達水準から見て不適切である

C.その摂食行動は文化的に容認される慣習でも、社会的にみて標準的な慣習でもない

D.その摂食行動が他の精神疾患〔例:知的能力障害(知的発達症)、自閉スペクトラム症、統合失調症〕や医学的疾患(妊娠を含む)を背景にして生じる場合、特別な臨床的関与が妥当なほど重篤である

(出典:DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引

症状が1ヶ月は持続している必要があるのと、とくに他の精神疾患に関連して生じる場合には注意して診断することが重要です。

また、発達上様々な物を口に運ぶ時期(2歳未満)は異食症の診断は下されません。

その他の診断上の注意として、文化的に異食が認められていて、社会的に正常な慣習であるケースもあります。例えばアフリカでは妊娠した女性がカオリン石という粘土質の石を食べる慣習や、ベトナムの地方でも土を食べる慣習がありますが、この場合は異食症とは診断されません。

異食症の原因

小児期に多い原因

上述の通り、2歳未満の幼児は発達の過程で様々な物を口に運んでしまうことがあります。何でもかんでも口に入れたがるから目が離せないと思っている親御さんも多いでしょう。

ですが、こうした異食行動が習慣化するまで継続してしまうと、異食症と診断されることがあります。

異食行動が続いてしまう原因として考えられるのは、保護者のネグレクトや監督欠如が挙げられます。空腹状態が長く続くことによって、異食行動を続けてしまうことがあります。また、ストレスを溜め込みやすい性格の場合、異食行動によってストレスを解消している可能性もあります。

その他には、発達の遅れなどによっても異食行動が習慣化されてしまうことがあります。

他の疾患と合併している異食症の原因

自閉スペクトラム症

コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りが特徴のため、特定の食べ物の見た目や食感にこだわりを持った場合に異食行動が起こる事が多いです。

統合失調症

幻覚や妄想の症状により、異食行動が引き起こされることが多いです。

認知症

初期の認知症ではあまり起こりませんが、中~重度の認知症では味覚障害や認識障害によって異食行動が見られることがあります。

知的障害

発達の遅れによる認知の障害が異食症の原因と言われています。

異食症の治療

異食症の治療は、これをすれば治るというものはまだありません。行動変容法によって望ましい行動を学習しつつ、望ましくない行動習慣を消していくことで治療をする場合があります。

また、異食行動によって栄養失調やその他の疾患(消化管の閉塞など)が発生している場合は別途治療を行います。

心療内科や精神科の領域では、異食症の背景に発達障害がある場合はその治療をすることで異食症の改善を図る事ができます。

発達障害の治療には薬物療法、精神療法、TMS治療(磁気刺激治療)があります。

TMS治療とは

TMS治療は頭部に特殊なコイルを当て、脳に磁気刺激を与えて脳神経のネットワークのバランスを改善し、正常な活動に戻す治療法です。アメリカを始めとする欧米では普及が進んでいます。日本ではまだ一部の医療機関でしかTMS治療を受けることはできませんが、当院では治療が可能です。

薬物療法と比べて副作用の心配もなく、治療期間も短く済みます。

発達障害についても改善することが可能です。

TMS治療について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

まとめ

異食症は口に運ぶものによっては別の疾患の原因となるため、注意が必要な病気です。特に消化器系に影響を及ぼす場合、手術が必要になることもあります。周囲の方は注意深く見守りつつ、専門機関で適切な治療を受けられるようにサポートしてあげるようにしましょう。


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