摂食障害とクレプトマニア(窃盗症)の関係性について
発達障害専門外来
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摂食障害とクレプトマニア(窃盗症)の関係性について

摂食障害には拒食症(神経性やせ症)や過食症(神経性過食症)などがありますが、その中でも過食症と合併することが多い精神疾患にクレプトマニア(窃盗症)があります

なぜこの2つが合併することが多いのか、その理由を解説します。

摂食障害とは

まず摂食障害とは、食事を摂ることへの障害全般を指すものです。持続的な症状が食物の消費や吸収を変化させることに繋がり、身体的健康や社会的にも影響を与えるような障害です。

DSM-5には、以下の症状について診断基準が掲載されています。

  • 異食症
  • 反芻症
  • 回避・制限性食物摂取症
  • 神経性やせ症/神経性無食欲症
  • 神経性過食症
  • 過食性障害

その中でも特に知られているのが神経性やせ症/神経性無食欲症と神経性過食症です。テレビ番組などでもよく取り上げられる症状で、極端にやせ細ってしまったり、嘔吐を繰り返して歯がボロボロになっている患者を見たことがある人も多いでしょう。

これらの障害は、10~20代の女性に多いです。

摂食障害は単なる食行動の異常というわけではなく、背景に心理的な問題があります。

摂食障害について詳しくは以下の記事を参照してください。

クレプトマニアとは

クレプトマニア(窃盗症)は、物を盗む行為を繰り返してしまう障害です。

近年ではマラソンの日本代表選手だった女性が、自身がクレプトマニアであり、治療を受けていると公表して話題になりました。

DSM-5では、窃盗症の診断基準は以下のように定義されています。

A.個人用に用いるためでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される

B.窃盗に及ぶ直前の緊張の高まり

C.窃盗に及ぶ時の快感、満足、または開放感

D.その盗みは、怒りまたは報復を表現するためのものではなく、妄想または幻覚への反応でもない

E.その盗みは、素行症、躁病エピソード、または反社会性パーソナリティ障害ではうまく説明されない

(出典:DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引

個人的に必要のないものでも盗んでしまったり、金銭的な価値のないものでも盗んでしまうという点で、通常の窃盗とは異なります。

また、盗んだものを購入できないほどお金がないわけでもありません。

警察官から丸見えの状態では盗んだりはしませんが、事前に盗みの計画を立てることはなく、盗みによって逮捕されることも十分に理解しています。

クレプトマニアは自分の行為が間違っていることを理解しており、盗みたい衝動に抵抗していますが、最終的には抵抗できずにものを盗んでしまうのです。

窃盗はもちろん司法で裁かれますが、近年では刑罰を与えるよりも治療を受けさせ、根本を断つべきではという意見も上がっています。

摂食障害とクレプトマニアの合併が多い理由

摂食障害の中でも、神経性過食症の患者はクレプトマニアを合併することが多いという報告があります。

衝動にかられてしまうという点では共通していますが、一見すると関連しないような気もします。

近年の研究や実際の患者の話などから、神経性過食症とクレプトマニアの合併が多い理由は以下のように考えられています。

食費がもったいないと思っている

神経性過食症は大量に食べてはすべて嘔吐するという症状のため、食べる量は非常に多くなります。

そのため食費がかさみ、まともに払えば月に20~30万円ほどが食費として支出されることもあるようです。

クレプトマニアでない神経性過食症の患者は食費を工面するために他の支出を徹底的に抑えたり(家賃の安い部屋に住むなど)、バイトを掛け持ちしたり、人によっては援助交際などの危険を冒しながらお金を得ていることが多いです。

こうして精神的、身体的に苦しい思いをしながらお金を稼いでいる中で、ふと万引きをして食べることを覚えてしまうと、食べ物にお金をかけることが急にもったいなく感じてしまいます。そこから万引きが続くようになるのです。

摂食障害患者のクレプトマニアは、自宅にいるときから何を盗むか考えていることが多く、この点は窃盗症の中でも少し特殊です。また、他のクレプトマニアと大きく異なるのが、盗む量です。摂食障害のクレプトマニアの場合、スーパーでカートが満杯になるまで食材を入れ、それをそのまま盗むことがあります。

身体を痛めつけることの代用としている

摂食障害は、自分で大量に食べて、それを吐くという行為を繰り返してしまいます。

食べたものをなぜ吐くのかというと、大量に食べてしまった自分に罪悪感を感じているからです。

これは自分を罰するための行動と言えますが、一方で、罰せられるのも自分という2つの立場を経験するものです。似たような症状にリストカットがあります。

しかし、摂食障害は身体を傷つける行為なので、過食嘔吐には限界があります。罪悪感から自分を罰したいという気持ちが嘔吐という形では達成できなくなる、もしくは満足できなくなると、窃盗行為につながります。

窃盗は見つかれば捕まって罰せられます。どうしようもない罪悪感を消すために、罰してくれる他者を求める行為が「物を盗む」というものだと考えられています。

摂食障害とクレプトマニアの治療について

摂食障害の治療

摂食障害では、薬物療法、精神療法、TMS治療などが有効とされています。

詳しくは以下の記事を参照してください。

クレプトマニアの治療

クレプトマニアの治癒は困難なものですが、一定の回復はすると言われています。

クレプトマニアの治療では、主に精神療法が取られ、場合によっては入院して治療を受けます。盗むことありきで回っている1日のスケジュールを変えるために、通院をしながら規則正しい生活リズムを身に着けていきます。

また、リラプスプリベンションという再発防止プログラムを受け、自分が窃盗行動に至るプロセスを知り、行動変容を促す治療に取り組んでいきます。

その他、自助グループで共通の課題を抱えている人同士で支え合い、問題解決を図るグループも存在します。

治療によって回復が見込める一方で、治療期間中に窃盗をしてしまい、刑罰のために治療が中断してしまうこともあります。なかなか治らずに治療と刑罰を繰り返してしまうケースもあるようです。

まとめ

摂食障害とクレプトマニアは合併することの多い精神疾患です。

特に、摂食障害は若い女性に多く発症するため、周囲の人は注意して見守り、心療内科や精神科の受診を進めるようにしてください。

摂食障害とクレプトマニアでは治療法も異なるため、早期に診断して治療を進めることで、クレプトマニアを発症せずに済むこともあります。


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