発達障害やパーソナリティ障害と合併しやすいミュンヒハウゼン症候群とは?【医師が分かりやすく解説】

ミュンヒハウゼン症候群とは?

ミュンヒハウゼン症候群(英: Münchausen syndrome)は精神疾患のひとつで「虚偽性障害」とも呼ばれています。
1951年にイギリスの医師によって発見され、「ほら吹き男爵」の異名を持ったドイツ貴族ミュンヒハウゼン男爵にちなんで命名されています。
自分が怪我や病気であると偽り、周りの人の気を引いたり同情を買うことで精神的に満たされようとする行動が繰り返し見られます。
また、代理ミュンヒハウゼン症候群というのもありますが、これは自分ではなく他人や自分の子どもを傷つけ、他者からの気を引き精神的に満たされようとします。
代理ミュンヒハウゼン症候群の症例で有名になった事件があります。 2008年に京都で、母親が入院中の1歳10カ月の娘の点滴チューブに腐ったスポーツドリンクを混入したという衝撃的な事件がありました。
さらに、この母親の3人の子どもがこれまで病院で病死していたそうです。
母親はずっと病気の娘を看病する献身的な母親でいたかったのだと供述しました。
入院を継続してもらうには、子どもが病気であり続ける必用があったわけです。

ミュンヒハウゼン症候群の症状

ミュンヒハウゼン症候群の症状は、上記で述べたように周りの関心を引くために自分の身に起こっていない病や怪我を作り出したり、事を大きくするといったことが見られます。
ミュンヒハウゼン症候群の大きな特徴は、お金などを目的に偽ったりするのではなく、周りからの注目を集めることを目的としている点です。
周囲の関心を引く方法として、自分自身をわざと傷つけたり、病気を持った人の検体と自分の正常な検体を入れ替えたり、小さな出来事を大げさに話したりします。

ミュンヒハウゼン症候群を疑うチェック項目

  • 病歴が劇的であるが、一貫性を持っていない。
  • 治療を行っても症状が軽減するどころか、むしろ悪化する。
  • 陰性の検査結果が戻ってきたり、一連の症状に対する治療を終えたりすると、また別の新しい症状が現れたり、治療を求めて別の病院に移ってしまう。
  • 患者が医療について様々な知識をもっている。
  • 診断検査や外科的処置を受けるのに不自然に前向きまたは熱心である。
  • 多くの医師や病院を頻繁に何度も受診した病歴がある。
  • 医師が家族や過去に治療を受けた別の医師に話を聞くことに抵抗する。
  • ミュンヒハウゼン症候群の原因

    はっきりとした原因はわかっていませんが、幼少期にに虐待されたりといった経験が関係していると考えられています。
    また発達障害やパーソナリティ障害(境界性パーソナリティ障害が多い)が関わっていることもあります。 病気を装うのは、人間関係や仕事上の問題を病気のせいにしたり、病院の医師や医療機関と関係をもったり、自分が特別な人間、あるいは医学知識をもつ有能な人間であるかのように見せたりすることで、自尊心を高めたり維持しようとしたりするための方法である可能性があります。
    ミュンヒハウゼン症候群は、その行動が意識的かつ意図的であるため、詐病者と似ています。
    しかし、詐病者とは異なり、作為症の人は保険金や病気休暇を得るなど利得を動機としているわけではありません。

    ミュンヒハウゼン症候群の治療

    患者が偽っている病気に対して治療を受けると、患者は一時的に楽になったと言うこともありますが、その後は別の症状を訴え、さらなる治療を求める事が多いです。
    不要な治療を回避することが、治療の重要な部分となります。
    ミュンヒハウゼン症候群の根本的な背景になっている発達障害パーソナリティ障害を治療する事が問題解決に有効な事が多いです。
    パーソナリティ障害に関してはこちらを御覧ください。
    パーソナリティ障害とは何か?人格障害と言われることもあります【医師が分かりやすく解説】