発達障害と恋愛に関して解説していきます
坂 副院長坂 副院長

恋愛や結婚は、障害の有無関係なく楽しさもあれば、辛いことや悲しいこともあるため複雑で難しいものですよね。

特に発達障害の人は特性からコミュニケーションに困難を感じる事が多いです。
そのため恋愛に対して苦手意識を持っていたり諦めてしまう人もいませんか? また、パートナーが発達障害で悩み不満を抱えている人も多いのでは?
発達障害のお子さんがいる両親もまた、子供の将来が心配という方もいらっしゃると思います。
そのため「恋愛は難しい・・・」と思いがちですが、実際には発達障害でも恋愛を楽しみ結婚をし、幸せに過ごしている方もたくさんいます。
今回は自分自身が、パートナーが、子供が・・・と様々な悩みを振り払い”恋愛を楽しむコツ”を一緒に見ていきましょう。

発達障害の人が恋愛で困ることは?

ADHD(注意欠陥多動性障害)の場合

ADHDの特徴である『不注意』『多動性』『衝動性』が原因でトラブルや悩みを抱えてしまうことが多いです。
不注意故にデートの日程や大切な記念日を忘れてしまったり、衝動性が強いが故に相手の気持ちがわからず、思ったことを衝動的に発言、行動してしまうなどがあります。

自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の場合

自閉症スペクトラムの特徴である『社会的コミュニケーションの困難』がトラブルの原因になることがほとんどです。
相手の気持ちを読み取ったり、目的のない雑談をするのが苦手なため相手を怒らせてしまったり、不満を与えてしまうことがあります。
では、このような悩みをどのように解決していけばいいのか順番に見ていきましょう。
  • 1 自分の障害特性を自分自身で理解し、相手に伝える
  • 2 困っていることを相談し、意見を聞く
  • この二点が大切です。
    発達障害の人が恋愛で悩みを抱えている場合はまず、その原因を自分自身で理解することが大切です。

    発達障害の人の恋愛の悩みの例

    ADHD(注意欠陥多動性障害)の例

    「デートの日程や場所を忘れてしまい怒られた。」と悩んでいた。
    そんなときはまず・・・・ 『これはADHDの不注意が原因で、忘れっぽいところがあるんだ。』 『だから困らせて怒らせてしまったのだ』と気づくことが大切です。
    そうすることによって、何が原因で悩んでいたのか原因がわかることで、解決策が自ずと見えて来る気がしませんか?
    「デートの日程や場所を忘れてしまい怒られた。」
    『忘れっぽいのが自分の特性だからカレンダーや手帳に記入しよう!』
    『恋人に特性を伝えて直前に確認し合おう!』
    など、解決策がわかり悩みを解消することが出来ます。
    恋人に伝えることで相手に理解してもらい一緒に解決策を見つけ出すことで絆も深まり相手を知るきっかけにもなります。

    自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の例

    「恋人に太った?と聞いたら不機嫌になってしまった」と困っていた。
    そんなときはまず・・・・
    自閉症スペクトラムの人は相手の気持ちを読み取るのが苦手なため、多少なりとも相手の気持ちを感じ取り行動することが大切です。
    どうしてもわからない場合は、家族や友人に相談してみましょう。
    『相手が気にしてることをはっきり伝えすぎたんじゃないかなー?』
    『もう少しこう伝えて上げても良かったんじゃない?』
    など、考えられる相手の気持ちを教えてくれます。
    相手の気持ちは定型発達の方でも感じ取るのは難しいこともあります。
    ですから、一人で悩まず心を開ける相手に相談して意見をもらうようにしてみましょう。

    発達障害の子どもの恋愛

    発達障害の有無に関わらず、思春期になると恋愛に興味は湧くものです。
    「恋愛ってどうやって進むんだろう?
    「相手はどう思ってるんだろう?」などわからないことがたくさん出てくる時期です。しかし恋愛に対してのスキルや知識はもちろん学校では教えてくれません。
    そのため体験や経験を重ねて自然と学ぶことが主になります。
    発達障害がある子どもの場合、周囲とコミュニケーションを取るのが苦手な子も多いので、「相手の気持ちを考えるって?」となりやすい傾向にあります。
    そのため、『好き!!』という気持ちが先行してしまい、衝動的に突っ走ってしまうケースがあります。

    恋に悩む子どもに対して親はどうすればいいの?

    発達障害の子どもが恋愛で悩んでいるとき、どうすればいいのだろう?と悩む親御さんは多いですよね?
    そんなとき一番大切なのは…
  • 1 子どもが抱えている悩みを否定しない
  • 2 必要に応じて相談にのり、アドバイスをする
  • この2つが大切です。
    中には「上手くいかなくて傷ついたらどうしよう…」と心配もあるのは当然です。
    冒頭にも言いましたが、恋愛は誰にでも難しいものです。
    さらに発達障害の特性があるのであれば恋愛をすることがより難しく感じるのは、無理もありません。
    ですが、恋愛は相手の気持ちを考える、人間関係を学ぶいい機会でもあります。
    自分の思い通りにいかないことを知り、失敗して傷ついてもそれで成長することが出来ます。
    なのでまずは子どもの抱く恋愛感情を受け入れて上げましょう。
    受け入れた上で、子どものニーズに合わせてサポートすることが出来ます。

    発達障害の子どもの恋愛の相談に乗って欲しいと言われた場合

    まずは否定せず人生の先輩としてアドバイスをしてあげましょう。
    逆に相談をする素振りがない場合、素振りを見せないだけで、本当は悩んでることがあるかもしれません。
    だからといってなんでも聞き出そうとしてはいけません。
    子どもから言ってくるのを待ってみるのも大切です。何でもサポートするのではなく、悩んでるときに気分転換を促してみたり、一緒にストレス発散出来る機会を作り支えになってあげましょう。
    わかりやすいルールを明示してあげましょう。
    恋愛は「なんとなく知っている」と扱われることがほとんどです。
    ですが、発達障害のある子どもは“察する“ ”感じ取る“ということが苦手で難しいこも多数います。そのため周りが「暗黙の了解」で把握していることがわからないため、親御さんから恋愛に関する”ルール“を教えてあげるのがいいでしょう。
  • ・相手も好きかどうかはわからない
  • ・気持ちを確かめる、確認する方法は様々ある
  • ・告白しても断られることもある
  • ・相手の気持は言葉だけではわからないので、メールや電話でも相手のことを考える
  • また、何が良くて何がだめなのかわからずトラブルや犯罪に発展する可能性もあるので、やってはいけないことは明確に教えてあげましょう。
  • ・許可なく異性に触らない
  • ・門限を守る
  • ・出かける相手、必ず行き先と帰宅時間を親に伝える
  • など、年齢に応じてルールをきちんと伝えましょう。

    発達障害の大人の恋愛

    成人になると、自分の意思で行動しその行動に責任を持つ必要があります。
    それは恋愛でも同じことです。
    成人した大人の場合恋愛にまつわる失敗経験も子どもの頃より増えます。
    その影響で大人になってもなかなか恋愛に積極的になれない、恋愛が怖いと感じている人もいるかもしれませんが、発達障害だからといって恋愛・結婚が出来ないわけでは決してありません。
    最近は障害者もある人向けの婚活パーティーなど、出会いのきっかけを与えてくれる場も増えてきているため、このようなイベントに参加するのも障害を気にせず恋愛を楽しむきっかけになるのではないでしょうか?

    発達障害のパートナーと上手く付き合うには?

    次にパートナーが発達障害の場合、発達障害の特性に合わせ生じる悩みや不満は変わってきます。では、どのようにサポートしていけばいいのか解決策を見ていきましょう!

    ◯発達障害の特性を理解し、不満の原因を見つける

    「忘れっぽくて困ってる」「こちらの気持ちを考えない言動が多い」「自分の友人とコミュニケーションを取ろうとしない」このようにパートナーに対して、様々な不満や悩みを抱いてる人も多いのではないでしょうか?
    ですがこれらは発達障害の特性と合わせていくと、共通していたり関係性が見えてくることもあります。
    「なぜだろう?」「原因はなんでろう?」と考えていたものが「発達障害の特性か!」と分かるだけですっきりすることもあります。

    ◯自分の考えや意図を伝える

    発達障害がある人は相手の意図や感情を読み取るのが苦手です。
    そのためこちらが困っている、直してほしいと思っていても、悪気なくそのような行動や発言をしている可能性があります。
    もし困っている、直してほしいというところがあったら、『具体的に何が嫌だったのか』『なぜ嫌なのか』『どうしてほしいのか』を一つ丁寧に伝えることを心かけましょう!
    伝え方を工夫すれば素直に受け入れてもらえ、良好な関係性を維持できると思います。

    ◯あまりに辛くなったり、落ち込んだりすることがあったら距離を置いてみる

    上記のように話し合いをし、こちらの意思を伝えても悩みやストレスが改善されない場合は、ある程度距離を置くことで抱えているストレスや悩みが改善数こともあります。
    通常だと、ただ「距離を置きたい」と伝え簡単に理由を説明すれば解決しますが発達障害の人は、定型発達の人よりも「そこまで言わなきゃわからないの?」「なんで察してくれないの?」と感じることもあるほど「距離を置きたい」の言葉の裏側のある気持ちを読み取るのが難しいです。
    ですから、少し距離を置きたいと思った場合は、感情的に不満をぶつけるのではなく『何が不満だったのか』『どうして距離を置きたいのか』丁寧に理由を説明することを忘れないようにしましょう。

    ◯定型発達の人に起こるかも!?二次的障害には気をつけて!

    家族や友人、恋人にアスペルガー症候群の人がいる人は悩みやストレスを抱え解消されないまま悪化した場合にカサンドラ症候群を発症することがあります。
    カサンドラ症候群の症状としては、偏頭痛や自立神経失調症といった身体的なものから、自己評価の低下やうつといた精神的なものまで様々です。
    家族や恋人となれば生活の中で接する機会は多いですし、心を通わせたいと思うのもです。
    それが難しくストレスを感じてしまうのは当然かも知れません。
    その結果、心身ともに弱ってしまうこともあります。
    もし、自分自身に異変を感じたら専門機関に受診・相談してみて下さい。

    まとめ

    発達障害がある人で恋愛結婚に悩んだり困っている人は大勢います。
    自分が発達障害でも、パートナーやその家族が発達障害でも、恋愛結婚において大切なのは、特性や個性、困りごとをお互いに理解することです。
    嬉しいこと、嫌なことを伝え合い、理解することで関係を深めましょう。
    自分とパートナーだけで解決できないときは周囲や専門機関に相談するなど、サポートを得ながら素敵な恋愛を楽しみましょう。