アスペルガー症候群の家族や恋人、職場での接し方について
発達障害専門外来
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アスペルガー症候群の家族や恋人、職場での接し方について

アスペルガー症候群の人はコミュニケーション能力に難がある場合が多く、本人や周囲が障害について理解していないと大きな負担がかかってしまいます。また、そういった状態が続くと本人も自分も心身の健康を損ねることもあるため、注意が必要です。

今回は、アスペルガー症候群の家族や恋人、職場にいる場合の接し方のポイントをご紹介します。

アスペルガー症候群の特徴

アスペルガー症候群は、現在では自閉症スペクトラム障害(ASD)と呼び方が変わっています。これは、自閉症とアスペルガー症候群を別物と捉えるのではなく、スペクトラム(連続性)として捉えようという考えのもとで変更されました。

ADHDの改善割合のグラフ

アスペルガー症候群は発達障害の代表的な症状で、大人になるにつれて徐々に特性が改善する場合もあります。しかし、ほとんどのケースで日常生活に何らかの困難を抱えているのが実情です。

アスペルガー症候群には、大きく分けて「社会性の障害」「言語コミュニケーションの障害」「強いこだわり」の3つの特徴があります。

社会性の障害

対人関係における困難が生じることが多いです。

  • その場の空気が読めない
  • 暗黙のルールが理解できない
  • その場にふさわしくない発言をしてしまう

悪気はないのですが、周囲から見れば「なんでそんなことを言うのだろう?」と不思議に思ったり、場合によっては怒らせてしまうこともあります。

言語コミュニケーションの障害

アスペルガー症候群は知的能力の発達には遅れがありません。しかし、言葉遣いが独特だったり、意思疎通が困難なケースがあります。

  • 誰も使わないような言い回しを好んで使う
  • 間接的な表現や文脈を理解できず、相手の言ったことを真に受ける
  • お世辞やユーモアを理解できない

例えば自虐的に「つまらないものですがどうぞ」と言われた時、「つまらないものですね」と返してしまったりします。社交辞令や定型的な表現などを理解できないケースが多いです。

強いこだわり

決まった手順やスケジュールに強いこだわりを持っていることが多く、臨機応変な対応が苦手です。自分の予想していなかった状況になるとパニックに陥り、何も手につかなくなってしまうことがあります。

  • 自分のやり方にこだわる
  • ひとつのことに集中しすぎて周りが見えなくなる
  • 新しい人と関係を築くのが困難

好きなことをしているときの集中力は凄まじく、まさに寝食を忘れて没頭することがあります。健康を害さないように適切な管理が必要です。

アスペルガー症候群への接し方

アスペルガー症候群の特性の強さにもよりますが、コミュニケーションに困難があり、悪気はなくても人が傷つくようなことや空気を読まない発言をしてしまうことがあります。そういった特性を理解しつつ、適切なコミュニケーションを行えるように工夫することが重要です。

家族や恋人にアスペルガー症候群がいる場合の接し方

家族や恋人がアスペルガー症候群の場合、重要なのは双方がストレスを抱えないことです。相手を気遣いすぎて自分のストレスが大きくなってしまうと、「カサンドラ症候群」という状態になってしまうことがあります。カサンドラ症候群は発達障害を抱える家族や恋人と接する中でストレス負担が大きくなり、心身に異常が見られるようになるものです。そのため、自分に大きなストレスがかからないように注意することが重要です。

アスペルガー症候群の特性を理解する(得意・不得意)

最も重要なのは、アスペルガー症候群の得意なこと、苦手なことをしっかりと理解してあげることです。

例えばコミュニケーションが苦手だったりこだわりが強いのは生まれつきの特性のため、注意して治すことは非常に難しいですし、相手のストレスになってしまいます。

  • 図や文字で説明できるようにホワイトボードをリビングに置いておく
  • 失礼な言葉だと思ったら「傷ついたからこれからは言わないで」としっかり伝える
  • 趣味に没頭しすぎないようにタイマーで時間を区切る

こうした工夫をすることで、本人もコミュニケーションが取りやすくなり、精神的に安定して生活することができます。

常識的なことも明文化してルールにする

アスペルガー症候群の人は常識などの「何となくみんなが従っていること」がよく理解できません。そのため、細かくルール化してあげると混乱せずに済みます。

  • 洗濯物がカゴに入り切らなくなったら洗濯する
  • 来客にはお茶とお菓子を出す
  • 買い物に行く前には冷蔵庫を確認して、不足している物を買う

このようにルール化しなくても対応できそうなことでも明文化することで、混乱せずに行動することができるようになります。

一緒に生活しているといろいろなトラブルが発生しますが、次にトラブルにならないようにするためにはどういうルールにすればいいのかを考え、伝えてあげるようにしましょう。

感情的にならない

アスペルガー症候群の人にとって、「言わなくても分かってほしい」は非常に困難です

また、相手に感情をぶつけたとしても、なんで怒っているのかを理解することが難しく、さらに怒りたくなるような言動をしてしまうことがあります。

改善してほしいことがある場合は感情的にならずに、具体的に伝えて、次からはこうしてほしいという点まで伝えるようにしましょう。

解決できない場合は支援に頼る

特性の強さによっては、どんなに工夫をしてもお互いに疲れてしまうことがあります。そういうときは自分で解決しようと頑張るのではなく、自治体の支援機関や医療機関(精神科、クリニックなど)に相談するようにしましょう。

専門家に話すことで気持ちが楽になることもありますし、具体的な改善案を教えてもらうことができます。

また、同じようにアスペルガー症候群の家族や恋人を持つ人が集まる自助グループなどに参加することで、他の人の工夫を取り入れることができることもあります。ぜひ探してみて下さい。

当院でもペアレント・トレーニングやソーシャル・スキル・トレーニングなど、発達障害の家族を持つ方のサポートや本人の生きづらさを解消するためのトレーニングを実施しています。ご興味のある方はぜひお気軽にご相談下さい。

職場にアスペルガー症候群がいる場合の接し方

アスペルガー症候群の人が職場にいる場合は、コミュニケーションを可能な限り円滑にするために以下のような工夫をするようにしましょう。

怒らないで良い面を褒める

アスペルガー症候群の方は仕事でのミスも多いですが、そればかりに目を向けるのではなく、良い面を褒めることを意識しましょう。

叱責ばかりになってしまうと自己肯定感が下がってしまい、仕事に不安を感じるようになってしまうことがあります。また、強い言葉で注意されるとその言葉を真に受けてしまい、人格を否定されているように捉えてしまう可能性もあるため注意が必要です。

もしミスがあった場合は、なぜそのミスが発生したのか、どうすればそのミスが発生しなくなるのかをしっかりと伝えてあげるようにしましょう。

コミュニケーションを取る人を固定する

アスペルガー症候群の方は生まれつきコミュニケーションに困難を抱えて生きてきたため、そもそも対人関係が苦手という人も多いです。

「困ったら〇〇さんに相談する」と決まっていれば、誰に聞いていいか分からずに業務が滞ることがなくなり、効率的にコミュニケーションが取れるようになります。

図や文字などで視覚的に伝える

アスペルガー症候群の方は、耳で聞いた情報を処理するのが苦手な傾向にあります。そのため、仕事の指示をする際には口頭以外に必ずチャットや紙でテキストにして指示を出すようにしましょう。

また、会議などに参加してもらう必要がある場合は先に資料を印刷して渡しておくことで理解がスムーズになります。

タスクはひとつずつ依頼する

複数のタスクを一気に依頼されると、優先順位をつけることが苦手なためにどれから手をつけていいか分からなくなったり、ひどいときにはパニックを引き起こしてしまうことがあります。タスクは可能な限り1つずつ依頼し、できれば進捗管理などもしてあげるようにしましょう。

また、指示を出す際は図を使ったりマニュアルを渡したりするなど、視覚的に理解できるように配慮することも重要です。

感覚過敏対策を行う

アスペルガー症候群をはじめとする発達障害の方は、視覚や聴覚が過敏で業務に支障をきたすことがあります。申し出があれば席を変更したり、イヤホンやヘッドホンの着用を許可するようにしましょう。

また、こうした配慮のことを合理的配慮といい、事業者が障害を知って雇用した以上は配慮が法的義務になるのでご注意下さい。

まとめ

アスペルガー症候群の人は定型発達の人よりも困り事や困難を抱えることが多いです。また、故意ではないのに人を傷つけたり怒らせたりしてしまうことがあります。

周囲の方が障害を理解し、適切にサポートしてあげることで困り感を減らすことが可能です。一方で、サポートする人が心身のストレスを感じないようにバランスを取ることも重要ですので、支援の仕方や接し方でお困りの場合は医師やカウンセラーに早めに相談するようにして下さい。


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