緊張型頭痛の症状・診断・治療【医師が分かりやすく解説】

緊張型頭痛とは?

頭痛の中でも緊張型頭痛の有病率は20-30%と言われ、比較的多い疾患です。
緊張型頭痛では頭部全体に及ぶ軽度の痛みはありますが、片頭痛などに伴う作業不能や悪心、羞明はないことが多です。
緊張型頭痛は発作性と慢性の二種類あります。
発作性緊張型頭痛の頻度は月に15日未満であり、一般用医薬品の鎮痛薬、鎮静薬で痛みが和らぐことが多く、ほとんどの患者さんは医療機関を受診しません。
月に15日以上の頻度で起こる頭痛は慢性緊張型頭痛と診断されます。
慢性緊張型頭痛は精神的な影響が強い事が指摘されています。

緊張型頭痛の症状と徴候

緊張型頭痛の痛みの程度は軽度から中等度で、よく締め付けられるような痛みと表現されます。
この頭痛は、後頭部、両側前頭部に発生し、頭部全体に及びます。
片頭痛とは違い、緊張型頭痛には悪心や嘔吐を伴わず、身体活動、光、音、匂いで悪化してしまうことはありません。
慢性緊張型頭痛の原因には、睡眠障害、身体的・精神的ストレス、顎関節機能障害、頸部痛、眼精疲労などがあります。 発作性頭痛は30分から7日間程度持続します。
典型的な症状では起床後数時間で頭痛が生じ、次第に増悪していきます。
患者さんが頭痛により眠りから起きることはあまりみられません。

緊張型頭痛の診断方法

診断には、特徴的な症状、身体診察の所見に基づき診断します。
慢性緊張型頭痛は原因になりえるものを治療していきます。
緊張型頭痛が重篤化することは少なく、重度の痛みを訴える場合には緊張型頭痛ではない可能性があります。

緊張型頭痛の治療

薬物療法:鎮痛薬、鎮静薬など

鎮痛薬および NSAIDs

軽度から中等度の場合、市販鎮痛薬、アスピリンやアセトアミノフェンで緩和出来る事が多いです。
緊張型頭痛治療薬 として健保適用が認められているのはアスピリン、アセトアミノフェン、メフェナム酸などです。
ナプロキセンはアセトアミノフェンより効果が高いと言われております。

抗うつ薬

三環系抗うつ薬(TCA)の一種であるアミトリプチリンの有効性が指摘されています。
口渇、便秘、めまい、眠気、排尿障害、などの三環系抗うつ薬にありがちな副作用が強く現れやすいです。

TMS治療

TMS(磁気刺激治療)は頭痛治療に関しては副作用もなく、すでにアメリカではFDAの認証が下りています。
J Neurol. 2016 Nov;263(11):2238-2246. Epub 2016 Aug 19.
2016年に偏頭痛や緊張型頭痛にTMS(磁気刺激治療)が有効という論文が発表されました。
特に精神的な問題が絡んでいる慢性の緊張型頭痛に効果を示します。