発達障害の原因は親にある?種類別子どもへの接し方を紹介
目次
年々発達障害と診断される子どもが増えていますが、まだ診断機関が少ないこともあり、診断されずにいる子どもも多くいます。
そんな中で、『自分の子どもが発達障害かも?』と思ったとき、原因は自分にあるのではと不安になっていしまう親御さんは少なくありません。
この記事では、発達障害について、遺伝と発達障害の関係性に加え、発達障害の子どもへの接し方まで詳しく紹介します。
お子さんのことで悩んでいるお父さん、お母さんは、ぜひご一読いただき接し方の参考にしてみてください。
発達障害とは
厚生労働省の『発達障害支援法』によると、発達障害とは『自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの』と定義されています。
まずは、さまざまなタイプがあるとされる発達障害の中でも、代表的なタイプを3つ紹介します。
自閉スペクトラム症(ASD)
以前は『自閉症』と診断されていた症状で、他人と気持ちを共有することが難しかったり、会話のやりとりがむずかしかったりするという特徴があります。
また、電車の音、雷の音などの特定の音に対しての過敏な反応や、こだわりの強さなどが特性として見られ、日常生活を送るのが困難な方もいます。
症状の程度には個人差があるため、就学前に気づくこともあれば、社会人になって仕事をはじめてから改めて発達障害を疑うケースもあります。
注意欠陥多動症(ADHD)
ADHDというと、近年よく聞くワードとも言えるためなんとなく理解している人も多い症状ですが、具体的には不注意・多動性・衝動性などの特徴が見られます。
この3つの特性が同時に現れることもあれば、1つだけが目立つこともあり、12歳になるまでの間に出現するのが一般的です。
しかし、幼い子どもによく見られる行動でもあることから、ADHDの診断は難しいとされています。
学習障害(LD)
学習障害は、読むこと、書くこと、数の理解や計算することなどが困難であるのが特徴で、さらにこれらが知的障害によるものではなく、学習面でのみ特性として現れる際に診断されます。
学習が始まる就学期に判明することがほとんどで、周りとの違いを本人も感じてしまい不登校になるようなケースも見受けられます。
発達障害の原因は親?
子どもが発達障害かも?と感じている親御さんや、実際に発達障害であると診断された親御さんは、自分が原因なのではないか、これから生まれる兄弟も発達障害なのではないかと心配になることは少なくありません。
ここからは、遺伝や発達障害の原因について紹介します。
遺伝も要因の1つ
発達障害の原因はさまざまな要因が重なっていると考えられていて、実際のところまだ確実な原因とされることは判明していません。
遺伝は原因の1つとして考えられているものの、親が発達障害だからといって必ず子どもが発達障害になるわけでもありません。
絶対に遺伝する・しないと断言できないものの、発達障害の親から同じ発達障害の子どもが生まれるケース・兄弟全員が発達障害であるケースなども存在することは事実です。
発達障害の原因と考えられていること
遺伝以外の発達障害の原因としては、以下のようなことが考えられています。
- 妊娠中の環境
- 胎児期の感染 など
このように、遺伝的要因以外にも妊娠期に口にした特定の薬や食べ物によるものという考え方もありますが、いずれも再現性のある研究結果があるわけではなく、推測の範囲です。
遺伝要因と、上記のような環境要因が複雑に絡み合った結果、発達障害が生じるのではないかと考えられています。
発達障害の原因ではないと考えられていること
発達障害の原因について、絶対といえるものがないのは不安要素になりますが、1つだけ絶対といえるのは『親の関わり方が原因ではない』ということです。
しつけ不足、愛情不足などと言われる時期もありましたが、現在そのようなことは医学的に否定されており、発達障害は先天的な問題であると考えられています。
親が原因なのかもと考えてしまう方の中には、『保育園でさみしい思いをさせたから』『休日の関わりが少なかったから』などと自分を責めてしまう方もいるかもしれませんが、そのようなことはなく、発達障害は子どもの特性であると考えて対処方法を検討していくほうが重要となります。
発達障害かも?子どもへの接し方
発達障害の検査は医療機関で行われるため、子どもの発達障害を疑う際はまずかかりつけの小児科に相談してみるとよいでしょう。
また、各自治体に窓口がある場合もあるため、自治体の窓口に相談してみるのもおすすめです。
そして、発達障害と診断されたら、または発達障害かも?と疑ったら、親御さんは自分を責めるのではなく、子どもの特性とどう向き合っていくかを考えましょう。
発達障害の種類によっては、将来社会に出たときに本人が辛い思いをしてしまうこともあるでしょう。
しかし、トレーニングや接し方で改善できる場合もあり、本人の辛さを少しでも取り除いてあげられるようサポートすることは可能です。
ここからは、発達障害の種類別に子どもへの接し方を紹介します。
自閉スペクトラム症(ASD)
ASDの子どもは、漠然とした表現や遠回しな表現だと理解できず混乱してしまうことがあります。
普段そういった表現だと思っていなかった言葉でも、子どもからすると曖昧な表現だと感じることもあるため、日々子どもの目線に立って物事を考えることが重要です。
例えば『ちゃんと片付けてね』と言ってもASDの子どもは理解できないことがあるため、『机の上にあるお皿をキッチンまで持って行ってね』など具体的な言い回しがよいでしょう。
また、ASDの子どもは興味のあることに集中して取り組む場合が多いため、例えば電車が好きな子どもに対しては、電車の絵を使いながら1日の流れを可視化できるようにしておくなども効果的です。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
ADHDの子どもは、集団生活を始めるようになるとその特性が目立ち、先生や友達に怒られるといった経験が多くなります。
そのため、自分に自信が持てず、自己肯定感が低くなってしまうことが懸念されます。
ADHDの子どもは、自分ができないことばかりを探してしまう傾向がありますが、ぜひ親御さんは『できること』をたくさんほめてあげてください。
自分が好きなことや得意なことを見つけて、不得意よりもそちらに目を向けることで、成功体験を積めるでしょう。
また、失敗しないよう事前に親御さんが声掛けをしてあげるのもよいでしょう。忘れ物チェックを一緒にする、机周りの整理整頓を一緒にするなど、先回りしておくのも手段の1つです。
学習障害(LD)
LDの子どもに対しては、まず親御さんや周りの方が理解して寄り添うことが重要です。自分が難なくできることでも、LDの子どもにとっては困難であると理解し、不得意分野をゆっくりサポートしてあげましょう。
具体的には、以下のようなサポートが効果的です。
- 文字を読むこと……1文字・単語・語句と少しずつ増やしていき読み聞かせを行う
- 文字を書くこと……なぞって書くことから始める
- 計算すること……数をこなすのではなく少ない問題を丁寧に解く
これらを親御さんが一緒に行うことで、苦手分野をお互いに理解して取り組みを進めていくことが重要です。
まとめ
遺伝は発達障害の要因の1つではありますが、すべて親御さんのせいということではなく、さまざまな要因が重なっています。
遺伝してしまうかも、遺伝してしまったかもと不安になるお気持ちは、お子さんのサポートをすることで抑え、特性を理解して子どもが過ごしやすい環境を整えてあげる準備をしましょう。
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お子さんの発達障害にも発達障害専門外来によって大規模データベースと比較して客観的に数値化して正確な検査を実施。
発達障害のお子さんに対してどのようなサポートをすればよいか迷っている親御さんは、ぜひブレインクリニックまでご相談ください。
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