片頭痛

「目の奥やこめかみあたりが、ズキンズキンと脈打つように痛む。」
「吐き気を伴って、光や音、においに対して普段より不快感を覚える日がある。」
このような発作が月に数回〜週に数回続いて、仕事や家事を中断せざるをえない場面が増えている場合は、片頭痛(偏頭痛)の可能性があります。

片頭痛は、月経前後や天候の変化、寝不足、強いストレスからの解放、人混みなど、複数の要因が引き金になりやすい病気です。市販の鎮痛薬は発作時の一時的な緩和に役立つ反面、月に10日以上服用するとかえって頭痛を誘発し、薬物乱用頭痛につながるケースもあります。

「発作がくり返している」、「月経や天候と連動している」、「市販の鎮痛薬の回数が増えている」などの状態が続く場合は、自己判断による薬の服用は避け、医療機関への相談をおすすめします。

片頭痛とは

片頭痛という疾患は、国際頭痛分類ではどのように位置づけられているのでしょうか。ここでは、診断の前提から解説します。

一次性頭痛に位置づけられる疾患

片頭痛は、脳腫瘍やくも膜下出血などにはっきりとした原因が見つかる二次性頭痛とは異なり、脳そのものに大きな病変が見つからない一次性頭痛の1つです。

国際頭痛分類では、痛みの性質や持続時間、随伴症状の組合せによって診断がつくよう整理されています。「いつもの頭痛」と感じながら過ごしてきた方のなかにも、診断基準を満たしている場合があります。

有病率と発症の傾向

国内の報告では、成人の約8%前後が片頭痛を有するとされています。年代は20〜40代に多く、性別では女性の発症が多い傾向があります。仕事や家事、育児などで多忙な時期に重なりやすく、痛みだけでなく周りへの影響も感じながら無理を重ねてしまう方も少なくありません。

片頭痛の症状

発作時に現れる痛み方と随伴症状や、医療機関の受診を考えはじめるタイミングについて、順にご説明します。

頭痛の性質と続く時間

片頭痛による痛みは、こめかみから目のあたりを中心に、ズキンズキンと脈打つように感じられることが多いとされています。痛みは4〜72時間ほど続き、体を動かすと悪化するため仕事や家事を中断せざるをえなくなることがあります。発作がおさまったあとは、何事もなかったかのように普段どおりの状態に戻れるのも特徴の1つです。

吐き気・感覚の過敏

発作中は吐き気や嘔吐を伴うことが多く、普段は気にならない程度の光、音、においに対しても不快感を感じやすくなります。そのため、静かで暗い場所で横になりたいと感じる方も少なくありません。

片頭痛のセルフチェック

ご自身が片頭痛かどうかを正確に診断するものではありませんが、下表の項目にあてはまる数が多いほど片頭痛の可能性が高まるとされています。おおよその傾向をつかむための目安としてご活用ください。
あてはまる項目が多い、痛みが強い、または発作がくり返している場合は、頭痛ダイアリーをつけて医療機関へのご相談をご検討ください。

頭痛ダイアリーとは?
日本頭痛学会が無償配布している公式テンプレートに、発作の日時・程度・持続時間・服用した薬を一日の出来事とともに記録すると、受診時の説明にそのまま活用できます。

次のような方は医療機関の受診をご検討ください

  • 月に数回以上、頭痛のために仕事・家事・学業を休む日がある
  • 痛みが4時間以上続き、動くと悪化する
  • 吐き気や、光・音・においへの過敏を伴う発作がくり返している
  • 市販の鎮痛薬を月に10日以上使用している
  • これまで経験したことのない強い頭痛や、神経症状を伴う頭痛が現れた

頭痛の頻度や強さ、症状の組み合わせには個人差が大きいため、発作の傾向を把握しておくことが大切です。

片頭痛の原因・メカニズム

発作の起こり方と考えられている病態を整理したうえで、日常で発作の引き金になりやすい要因を説明します。

脳の血管と神経が関わるしくみ

片頭痛の起こり方にはいくつかの説がありますが、脳の血管の周囲を取り巻く三叉神経という神経から炎症を起こす物質が放出され、血管の拡張と炎症が痛みにつながるという三叉神経血管説が広く知られています。セロトニンなど神経伝達物質の変動も関わるとされています。

発作のきっかけになりやすい要因

人によってきっかけは異なりますが、次のような要因が代表的な誘因としてあげられます。

  • 睡眠不足や寝すぎ
  • 強いストレスとその解放
  • 空腹や脱水
  • 女性ホルモンの変動(月経周期・排卵前後など)
  • 気圧や天候の変化
  • アルコールや特定の食品
  • 強い光やにおいなどの感覚刺激

ご自身の片頭痛が起こりやすいパターンを記録しておくと、発作の予防や受診時の説明に役立ちます。

片頭痛と関係が深い心の不調

頭痛そのものだけでなく、心理的要因や生活リズムとの関わりは当院が特に重視している視点です。

ストレス・不安・気分の落ち込みとの関係

片頭痛のある方は、不安や緊張、気分の落ち込みを伴う割合が高いと報告されています。頭痛への不安や、発作のあとの疲労感が積み重なることで、外出や仕事に前向きに取り組みづらくなる方も珍しくありません。

睡眠・自律神経の乱れとの関連

睡眠の質の低下や昼夜のリズムの乱れは、片頭痛の頻度を高める要因としてあげられます。自律神経のバランスが崩れると、頭痛以外にもめまいや倦怠感、肩・首のこりなど身体の不定愁訴があらわれることもあり、心身両面から発作の背景を見直していく必要があります。

片頭痛と間違えやすい頭痛

緊張型頭痛・群発頭痛・薬物乱用頭痛を中心に、似た症状との見分け方と危険なサインをまとめ、受診時に伝えておきたい情報をご案内します。

緊張型頭痛・群発頭痛・薬物乱用頭痛

頭痛にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。下表を参考に、ご自身の症状に近い傾向をご確認ください。

頭痛の種類 痛みの性質 痛む場所と持続 主な症状・特徴
緊張型頭痛 頭全体がきりきりと締め付けられるように痛む 頭全体/数時間〜数日間 肩や首のこり、眼精疲労を伴うことが多い
群発頭痛 片側の目の奥をえぐるような強い痛み 片側の目の奥/1回 15分〜3時間、数日〜数週間ほどの期間に集中 発作が同じ時間帯に起こることがあり、目の充血・涙・鼻づまりを伴う
薬物乱用頭痛 既存の頭痛に伴い、頭全体にうずくような痛み 頭全体/ほぼ毎日のように続く 鎮痛薬を月に10日以上、慢性頭痛のある状態で月に15日以上服用することで、かえって頭痛が起こりやすくなる

発作の経過や症状の違いはご自身では判断しづらいため、専門家の目で確認してもらうことが大切です。

注意すべき頭痛のサイン

これまで経験したことのない突然の強い頭痛、手足の麻痺やしびれ、言葉が出ない、意識がもうろうとする、高熱を伴う頭痛などが現れた場合は、くも膜下出血や脳出血、髄膜炎など二次性頭痛の可能性があり、救急での対応が必要になります。
気になる症状があれば、すぐに医療機関を受診されることをおすすめします。

受診時に医師に伝えたい情報

診察をよりスムーズに進めるために、頭痛ダイアリーやスマートフォンでの記録があると伝える内容が整理しやすくなります。

  • 発作が起こった日付と時間帯
  • 痛む場所(右側・左側・両方)と痛みの性質(拍動性/締め付け感など)
  • 持続時間(〇時間程度)
  • 吐き気・光・音・においへの過敏の有無
  • そのときの睡眠・食事・天候・月経周期
  • 使用した市販薬・処方薬の種類と回数

頭痛の全体像は、一次性頭痛と二次性頭痛のコラムをご確認ください。

よくある質問

片頭痛は市販の鎮痛薬で対応できますか?

軽い発作であれば市販の鎮痛薬で和らぐこともありますが、頻回に服用すると薬物乱用頭痛につながるおそれがあります。効果が乏しい、回数が多いなどの場合は、医療機関でご相談ください。

片頭痛になったらどうすればいいですか?

発作時は暗く静かな場所で横になる、痛む部位を冷やす、必要に応じて発作初期に市販の鎮痛薬を服用するといった対処があげられます。ご自身の傾向を把握するため、発作の時期・強さ・誘因・月経や天候との関連を頭痛ダイアリーに記録しておきましょう。発作が月に数回以上くり返す、痛みで日常生活に支障が出る、市販薬が効きにくい場合は当院までお問い合わせください。

片頭痛かどうか確かめる方法はありますか?

診断は医療機関の問診と診察で行います。本ページ「片頭痛のセルフチェック」がご自身の傾向を確認する手がかりとなりますので、あてはまる数が多い、痛みが強い、発作をくり返すといった方は頭痛ダイアリーをつけてご来院をご検討ください。

当院の薬物療法の考え方

当院ではTMS治療のほかに薬物療法も行っておりますが、基本的にはお薬は使わずに治療を進めることを目標としています。
薬物療法はうつ症状や不安症状などにおいて効果が認められていますが、以下のような問題点もあります。
  • 対症療法であり、根本的な治療ではない
  • 頭痛や吐き気、食欲不振、手足の震えといった副作用がある
  • 治療期間が3ヶ月~6ヶ月と長い

以上の問題点を考慮し、根本治療につながる可能性が高く、副作用も少ない、さらに治療期間も短い場合1ヶ月半~2ヶ月で済むTMS治療を最優先の選択肢として考えています。もちろん、症状が重く、治療に支障が出る場合や、日常生活がままならないようなケースでは薬物療法も並行して行うことがあります。 患者さまとご相談しながら、一人ひとりに最適な治療を進めてまいります。

当院の特徴

  • QEEG検査による客観的な診断
  • 発達障害グレーゾーンの診断が可能
  • 副作用が少なく、治療期間も短いTMS治療
  • 土日・祝日も診療・電話対応可能
  • 当日診断可能
  • 5歳から高齢者(大人)まで診断・治療が可能

QEEG検査による客観的な診断

当院では脳波によって客観的に脳の状態を把握できるQEEG検査を導入しています。 従来の精神科の診断は医師の主観による部分が大きく、誤った診断や治療が行われ、結果的に症状がなかなか改善しないということがありました。QEEG検査では人工知能(AI)を用いたディープラーニングによって様々な脳の状態を統計学的に把握し、正確な診断と治療が可能です。 当院では、QEEG検査の結果と問診の結果を合わせて診断しています。QEEG検査について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

発達障害グレーゾーンの診断が可能

QEEG検査によって、発達障害の診断基準には満たないが発達障害の傾向にあるというグレーゾーンの診断が可能になりました。グレーゾーンだからといって日常生活や社会生活に支障が出ないわけではありません。何らかの生きづらさを感じている場合は、正確な診断と適切な治療を通して日常の困り感を改善していくことが可能です。

副作用が少なく、治療期間も短いTMS治療

当院では、TMS治療(磁気刺激治療)を導入しています。TMS治療は医療先進国のアメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)や日本の厚生労働省の認可を得た治療方法です。 日本ではまだ一部の医療機関でしか導入が進んでいません。当院ではnovel TBS(ノーベルシータバースト刺激法)を受けることが可能です。
「薬に比べて副作用が少ない」「治療期間が短くて済む」
といった特徴があるため、お薬が苦手な方、副作用が強く出てしまう方、なるべく早く治したい方に適した治療法です。
TMS治療について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

土日・祝日も診療・電話対応可能

当院は土日・祝日も医師がシフト制で診療しており、平日にお時間が取りにくい方でも受診いただけます。
受付時間は10:00~19:00です。

当日診断可能

当院では当日診断も可能です。
ご予約可能な時間帯をご案内いたしますので、当日診断をご希望の方はお電話にてお願いいたします。

5歳から高齢者(大人)まで診断・治療が可能

当院では5歳から高齢者(大人)までの診断・治療が可能です。

外国語の対応について

当院では、専門の医療通訳者が常駐しておりません。
翻訳機を使用しての対応となりますが、お悩みを正確に理解し、適切なご案内を行うため、以下のいずれかの方法でご協力をお願いしております。

・日本語でのコミュニケーションが可能な方と一緒にご来院ください。
・ご自身の症状や、お困りのこと、医師に伝えたいことなどを、事前に紙にまとめてお持ちください。 メモ書きでも構いません。

患者様ご自身の心身の状況を正確に把握するため、ご面倒をおかけしますが、ご協力をお願いいたします。

お問い合わせ・ご予約はこちら

片頭痛の発作は、仕事や家事、学業などの場面で支障をきたすことがあるため、痛みが強い日は予定をキャンセルせざるを得ない方も珍しくありません。
体質や生活リズム、ホルモンの影響、気圧や天候など複数の要因が関わり合って起こる疾患のため、「自分には無関係」とはいえません。
もし身近で片頭痛にお悩みの方がいる場合は、さぼりや気のせいと決めつけず、発作の頻度や痛みの様子に目を向けてあげてください。
当院では、頭痛そのものだけでなく、関連する心の負担や自律神経の乱れまで含めて総合的に評価していますので、症状を相談したいと感じた段階で一度ご来院をご検討ください。

  • WEB予約はこちら

    ご希望の院や⽇時を選べます。
    初回カウンセリングの⽅はWEBからの
    ご予約を24時間受け付けております。

  • お問い合わせは
    こちら

    当院や治療内容について、
    ご質問や疑問点等がございましたら
    お気軽にお問い合わせください。

※お問い合わせの多い項目については「よくある質問」にまとめておりますので、こちらも参照してください。

この記事の監修医師

経歴
宮崎医科⼤学(現宮崎⼤学)医学部 卒業
京都⼤学医学部附属病院老年科神経内科
朋愛会淀屋橋健診プラザ 所長
 
2019.10ブレインクリニック東京院
2020.01ブレインクリニック東京院 指導医
2021.05ブレインクリニック大阪院
2021.06ブレインクリニック東京院 院長
2023.03ブレインクリニック東京院 院長
兼 総括院長
2023.11ブレインクリニック新宿院 院長
兼 総括院長
2025.09ブレインクリニック新宿院 院長
兼 総括院長、上級医
資格
日本精神神経学会会員
日本精神神経学会rTMS実施者
Apollo TMS Therapy Operator (mag & more)
米国臨床TMS学会(CTMSS)会員
京都大学医学部老年科同門会会員
日本医師会認定産業医