失感情症(アレキシサイミア)とは?特徴や原因、チェック方法について解説
「自分が何を感じているのか分からない」「気持ちをうまく言葉にできない」と感じたことはありませんか。こうした状態には、「失感情症(アレキシサイミア)」と呼ばれる特性が関係している可能性があります。
この記事では、失感情症の特徴や原因、チェック方法について分かりやすく解説します。
失感情症(アレキシサイミア)とは?
失感情症(アレキシサイミア)とは、自分の感情を自覚したり、言葉で表現したりすることが苦手な特性を指します。感情がないわけではなく、自分の気持ちに気づきにくい点が特徴です。病気ではなく、感情を認識・表現しにくい特性の1つですが、日常生活や対人関係に影響を及ぼすことがあります。
失感情症の特徴と症状
失感情症(アレキシサイミア)の主な特徴は以下のとおりです。
感情の認識・表現が難しい
自分の感情を認識することが難しく、言葉で説明するのが苦手な傾向があります。感情がないわけではなく、「嬉しい」「悲しい」「怒り」といった感情を区別しにくいため、自分の気持ちを聞かれても答えに迷ってしまいます。恋愛や仕事上の人間関係に影響を及ぼす可能性があります。
身体の不調と感情を結び付けにくい
失感情症の人はストレスや不安、緊張などの感情を自覚しにくく、結果として動悸や胃痛などの身体症状として現れるケースがあります。心の不調に気づかないまま過ごすと、心身症につながる可能性もあります。
想像や空想が苦手
映画や物語に深く共感したり、想像や空想を膨らませたりすることが少ない傾向があります。また、自分の内面よりも、現実の出来事や事実に意識が向きやすい点も特徴です。
コミュニケーションですれ違いが生じやすい
自分や他者の感情を理解することが難しいため、コミュニケーションですれ違いが生じやすくなります。表情やリアクションが乏しく見え、「冷たい人」「何を考えているかわからない」と誤解されることもあります。
また、失感情症は感情を認識したり言葉で表現したりするのが難しい特性であるため、感情の処理に困難を伴う自閉スペクトラム症(ASD)やうつ病、PTSD、摂食障害、愛着障害などと併存する可能性があります。ただし、失感情症であっても必ず疾患を伴うわけではありません。
失感情症の原因
失感情症の原因は明らかになっていませんが、生まれつきの「先天的要因」と、環境による「後天的要因」が関係していると考えられています。
また、失感情症になりやすい人には発達特性がある、幼少期に心理的な負担を受けて育った、不安や緊張からストレスを感じやすいなどの特徴がみられます。
先天的要因
失感情症の背景には、前頭葉や扁桃体などの脳機能の偏りや神経伝達物質による遺伝的要因があると考えられています。また、自閉スペクトラム症(ASD)やADHDなどの発達特性がある人では、失感情症の傾向がみられる場合があり、感情を認識・表現しにくい可能性があります。
後天的要因
慢性的なストレスやトラウマ、幼少期の環境なども失感情症の原因の1つと考えられています。つらい経験から自分を守るための防衛反応として感情を抑え込み、自分の感情を認識しにくくなることがあります。
失感情症のセルフチェック
失感情症に見られる主な特徴や行動は以下があげられます。
当てはまる項目がある場合は、失感情症の可能性があります。気になる症状があるときは、医療機関へご相談ください。
医療機関では、必要に応じてTAS-20(トロント・アレキシサイミア尺度)などを用いて評価することがあります。
失感情症にみられる主な特徴は、以下のとおりです。
- 今の自分がどのような気持ちか分からないことがある
- 自分の感情を言葉で表現するのが苦手
- 嬉しいや悲しいなど、感情の違いが分かりにくい
- なぜその気持ちになったのか分からない
- 人の気持ちを理解するのが苦手
- 「何を考えているか分からない」といわれたことがある
- 人に共感するのが苦手だと感じる
- 論理や事実を重視する
- 問題が起きると感情より解決策を優先して考える
- 身体の不調と感情の関係を意識することが少ない
- ストレスを感じると頭痛や胃痛などの身体症状が現れやすい
- 空想や想像をすることが少ない
失感情症の対処法
失感情症への対処法には、感情の記録や五感を意識する、生活習慣の改善、周囲に伝える、医療機関の受診などがあげられます。
感情日記をつける
自分の気持ちを言葉で記録する習慣は、感情の変化に気づくきっかけとなります。その日の出来事や体調とあわせて、「嬉しい」「不安」などの感情を書き留めることから始めるのがおすすめです。
五感を意識的に使う
音や香り、味など、五感に集中する時間を作るのもおすすめです。今の自分の状態へ意識を向けやすくなり、感情の変化にも気づきやすくなります。
生活習慣を整える
ストレスが続くと、感情を感じ取りにくくなる場合があります。規則正しい睡眠や栄養バランスの取れた食事、適度な運動を意識し、心身の健康を保つよう心がけましょう。
周囲の人に伝える
周囲の人に「気持ちを言葉にするのが苦手」と伝えておくと、人間関係のすれ違いを防ぎやすくなります。
医療機関を受診する
感情が分からない状態が長く続いたり、日常生活に支障が出たりする場合は、心療内科や精神科などの医療機関の受診も大切です。医療機関で行われる治療には、カウンセリングや認知行動療法、TMS治療、薬物療法などがあげられます。
当院では、TMS治療(経頭蓋磁気刺激)をはじめとした支援を行っています。
TMS治療(経頭蓋磁気刺激)の詳細は、以下をご覧ください。
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まとめ
失感情症(アレキシサイミア)とは、自分の感情を認識したり言葉で表現したりするのが苦手な状態です。
自分の気持ちが分からない状態や生きづらさが続く場合は、医療機関を受診するのも1つの方法です。早めの受診によって背景にある原因を把握し、自分に合ったサポートや治療につながる可能性があります。
ブレインクリニックの自閉スペクトラム症(ASD・アスペルガー症候群)外来紹介ページです。
よくある質問
Q.失感情症の恋愛における特徴は?
A.失感情症の人も恋愛感情を抱くことはありますが、自分の気持ちを自覚したり言語化したりするのが苦手です。そのため「愛情を実感しにくい」「感情表現が乏しいため相手を不安にさせてしまう」といった特徴があります。
Q.失感情症とサイコパスの違いは?
A.失感情症とサイコパスは異なるものです。失感情症は自分の感情を認識したり表現したりすることが難しい状態です。一方、サイコパスは、共感性の乏しさや罪悪感の希薄さなどが特徴とされています。
Q.失感情症と発達障害の関係は?
A.失感情症(アレキシサイミア)と発達障害には関連があると考えられています。特に、自分の気持ちを言葉で表現することが難しい、感情の変化に気づきにくいといった特徴が共通してみられ、併存するケースもあります。
この記事の監修医師
ブレインクリニック新宿院 院長
矢嶋 正
- 経歴
- 杏林大学医学部 卒業
- 大阪大学医学部附属病院
- 2023.04ブレインクリニック東京院
- 2024.05ブレインクリニック東京院 院長
- 2025.09ブレインクリニック東京院 院長
兼 上級医 - 2026.08ブレインクリニック新宿院 院長
兼 上級医
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15歳男性 ADHD、アスペルガー症候群合併

21歳男性 アスペルガー症候群、不安障害合併

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