アダルトチルドレンとは?原因や特徴、生きづらさへの向き合い方を解説
目次
「人との向き合い方がわからない」「なんとなく不安を感じやすい」など、漠然とした生きづらさを感じている方は少なくありません。その背景には、幼少期の家庭環境などが影響する「アダルトチルドレン」の傾向が関係している場合があります。
この記事では、アダルトチルドレンの定義や原因、特徴、対処法についてわかりやすく解説します。
アダルトチルドレンとは
アダルトチルドレンとは、幼少期に家庭内で受けたつらい体験が原因で、生きづらさを抱えながら大人になった方を呼びます。病名や診断名ではなく、過去の経験によって無意識に身についた考え方や行動の傾向を表す言葉として使われています。
アダルトチルドレンの6つの種類

アダルトチルドレンは、主に以下の6つの種類に分類されます。以下の例は代表的なものであり、必ずしも6つのいずれかに当てはまるとは限りません。
ヒーロー(英雄)
自分のためではなく、親からの期待に応えるために過剰に頑張り続けてしまうタイプ。
スケープゴート(いけにえ)
家族の崩壊を防ぐために、あえて問題行動を起こして家族の不満や怒りを1人で引き受けるタイプ。
ロスト・ワン(いない子)
家族から傷つけられないように、自分の気持ちや意見を抑え込んで存在感を消すタイプ。
ケアテイカー(世話役)
家族との関係を崩さないために、または虐待などのトラブルから自己防衛するために、自分よりも家族を優先して気遣うタイプ。
ピエロ(道化師)
恐怖感や悪い雰囲気を感じたときに、場を和ませるために自分の意思とは無関係にわざとふざけるタイプ。
イネイブラー(世話焼き人)
借金を肩代わりしたりトラブルの仲裁に入ったりするなど、問題を抱えている家族に対して過度に世話を焼くタイプ。
アダルトチルドレンの原因

アダルトチルドレンになる背景は人によって異なりますが、ここではよく見られるケースを4つ紹介します。
機能不全家族のもとで育った
機能不全家族とは、家族が本来果たすべき役割が十分に機能していない状態の家族をいいます。親は本来、子どもの主張や表現を受け入れてくれる存在ですが、安心感や情緒的な支えが不足している場合は、家族としての役割がきちんと機能していないことが多いです。親が子どもに対して以下のような態度をとっている場合は、機能不全家族である可能性があります。
- 無関心
- 過干渉
- 依存
- 否定
- 拒絶
機能不全家族で育った子どもは、感情の抑圧や他者への依存が生じやすく、成人後も対人関係や自己評価に支障をきたす可能性があります。
親がアルコール依存症だった
アルコール依存症はアダルトチルドレンの原因の1つとしてあげられます。親がアルコール依存症の場合、子どもにアルコールを買いに行かせたり、アルコールが切れると子どもに暴力を振るったりするなどの行為が見られやすいです。心身に大きな傷を受けた子どもは、成人してからも社会への適応や人付き合いにおいて負担を感じやすい傾向があります。
毒親に育てられた
毒親とは、過度に子どもに干渉してコントロールしようとしたり、夫婦喧嘩などのトラブルが常態化した環境で子どもを育てたりする親のことをいいます。毒親に育てられた子どもは、必要以上に気を遣いながら生きるようになり、社会に出たときに他者とのコミュニケーションにおいて壁にぶつかることも少なくありません。
幼少期に虐待を受けた
精神的・身体的虐待が家庭内で日常的に行われると、子どもは自己表現を抑えたり、大人の顔色を伺いながら振る舞ったりするようになります。虐待の影響で自分の気持ちを抑え込んだまま大人になると、人間関係の構築や自己表現に難しさを感じやすくなることがあります。
アダルトチルドレンの特徴
アダルトチルドレンの背景には、過去の強いストレスやトラウマの影響があると考えられています。ここでは、アダルトチルドレンによくみられる特徴を紹介します。
感情を抑え込みやすい
幼い頃に自由に感情表現できなかった影響で、アダルトチルドレンは感情を抑圧してしまうことがあります。感情を抑え込んでいる状態が続くと、喜びや楽しさといったポジティブな感情が麻痺してしまったり、感じてはいけないと恐怖心を抱いてしまったりする場合があります。
自分を責めやすい
アダルトチルドレンは、強い責任感を持っていたり完璧主義だったりする傾向があります。これは、親からの評価を優先し、親に尽くしてきたという過去が影響しているためです。常に親の機嫌を取ろうとしていたあまり、子どものころから必要以上に責任を引き受けていた可能性があります。責任感が強いまま大人になると、仕事や私生活において小さな失敗ですら自分を責めてしまうケースは少なくありません。
人間関係で悩みやすい
対人関係に思い悩むことも、アダルトチルドレンの特徴としてあげられます。アダルトチルドレンは、他者から必要とされることで安心感を得ようとするため、相手に依存的になったり、共依存に陥ったりすることがあります。一方で、他者との関係が深まることに不安を感じて人を避けやすいという特徴もあります。その結果、適度な距離感を保つことや信頼関係を築くことに対して苦手意識が強くなりやすいです。
自己肯定感が低くなりやすい
自己肯定感の低さは、アダルトチルドレンの代表的な特徴の1つです。幼少期に親から愛情を得られなかったり、否定的な言動を受けていたりすると、自分には価値がないと思い込みやすくなります。子どもの頃の自己肯定感の低さは大人になっても影響しやすく、思考がネガティブに傾いたり、モチベーションを保てなくなったりします。
関連しやすい心の不調
アダルトチルドレンは病気ではありませんが、対人関係の困りごとや不安感が心の不調につながることがあります。適応障害、うつ病、不安症、摂食障害などが例としてあげられます。
背景にADHDや自閉スペクトラム症などの発達特性がある場合には、対人関係や感情の整理に対して、悩みが重なりやすくなることもあります。アダルトチルドレンと発達障害は混同されることがありますが、背景や支援の考え方は異なるため、見分けが難しいケースも少なくありません。
つらさの背景を整理せずに1人で抱え込んでしまうと、適切な対処につながりにくくなることがあります。不安の強さや生きづらさが続いている場合は、精神科や心療内科などの専門家に相談しながら、自分に合った支援や向き合い方を考えていくことが大切です。
アダルトチルドレンの対処法

専門家への相談や自分自身との対話、当事者コミュニティへの参加などは、アダルトチルドレンが抱えている日々のストレスや生きづらさの軽減につながる場合があります。
専門家に相談
精神科などの専門機関でカウンセリングを受けることは、精神的な負担を軽減する方法の1つです。カウンセラーと話すことで客観的な視点を得られ、具体的な克服方法が見えやすくなることがあります。1人で抱え込まず、医師やカウンセラーなどの専門家と一緒に改善策を考えるのも1つの手です。
自己理解を深める
過去の体験を振り返ることは、心の負担を軽減することにつながります。幼少期のつらい出来事や感情と向き合うことは容易ではありませんよね。一方で、過去を否定せずに受け止めることは、漠然とした不安の具体的な理由や、自分の感情とうまく付き合う方法を見つけるうえで大切なプロセスになります。ご自身のペースで焦らずに、過去の自分を見つめ直す時間を設けてみるのもいいかもしれません。
当事者会への参加
似たような悩みをもった方が集まる当事者会は、過去の経験を分かち合いながら、抱えている思いを互いに受け入れる場です。意見や批判を挟まないスタイルが一般的であり、孤独感の軽減につながることがあります。
まとめ
アダルトチルドレンとは、幼少期に家庭内で受けたストレスが原因で、トラウマを抱えながら大人になった方を指す概念です。社会生活における息苦しさや対人不安、自己否定、自己肯定感の低さといった特徴が強い方は、アダルトチルドレンの傾向が見られます。過去の傷ついた経験に向き合うことは簡単ではありませんが、専門家への相談や自己理解、当事者会への参加によって、少しずつ心の負担を軽くできる場合があります。焦らずに、自分に合った方法を見つけてみてください。
ブレインクリニックの適応障害(適応反応症)外来紹介ページです。
この記事の監修医師
ブレインクリニック東京院 院長
矢嶋 正
- 経歴
- 杏林大学医学部 卒業
- 大阪大学医学部附属病院
- 2023.04ブレインクリニック東京院
- 2024.05ブレインクリニック東京院 院長
- 2025.09ブレインクリニック東京院 院長
兼 上級医 - 2026.08ブレインクリニック新宿院 院長
兼 上級医 - 2026.10ブレインクリニック東京院 院長
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