
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の人との接し方とは?適切な対処法【医師が分かりやすく解説】

自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の人とはどう接するべきでしょうか?
こだわりが多い、コミュニケーション能力が低い人と接することは不安に感じることも多いと思います。自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性に合った適切な接し方を行うことで、多くのことは解決可能です。
目次
自閉症(アスペルガー症候群)の人に接するときの4つの基本
自閉症の方はその人に応じた対応が必要であり、接し方を変えたりすることで、人間関係を円滑に出来る場合も多いのです。
ここでは自閉症の方が生活する上で生じる困難と、接し方や対処法について解説していきます。
①自閉症(アスペルガー症候群)の人は、自分とは物事の感じ方が違うことを理解する
感覚や考え方は主観的なものなので、他人の考え方を完全に理解することは難しいのではないでしょうか?
そのため、相手が自分とは違う感じ受け取り方をしている可能性があるということを意識し理解することが重要です。また聴覚過敏の方もいるので声の音量なども注意が必要です。
②理論的かつ具体的に說明する
以下は代表的な方法を紹介します。
具体的に指示する
曖昧な指示では、正確な作業遂行に至らない場合があるので、数値化したり、例を出したり、指示を具体的に出すようにします。
視覚的な方法で説明する
口頭で伝えただけでは忘れてしまうことが多いので、指示事項などを紙に書いて渡したり、ホワイトボードに残しておきます。
③指示系統を統一する
複数の者から指示をすると混乱するため、指示系統を統一し、なるべく一対一のコミュニケーションにする
④スケジュールはなるべく早めに伝える
予定などが急に変更されると混乱する事が多いので、スケジュールはなるべく早めに伝えるようにします。
職場での自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)による困難のためのサポート
作業環境に関して
周囲の視覚的な刺激に反応しやすい人もいるので、集中しやすいように席に区切りを作り、ことも有効です。
休憩時間
声掛けをしないと、過集中になり、ご飯を取り忘れることもあるため、休憩時間には声を掛けて休憩や昼食を取るよう促してあげたり、昼食時の雑談が精神的負担になる場合は、会議室などで昼食を一人で取ることを認めるのも必要かもしれません。
病院に受診のための休暇
受診の日は優先して休みを取れる体制や配慮が重要です。
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)やその傾向のある子どもの子育てのサポートに関して
専門医療機関に相談する
当院のような発達障害を専門に診療しているクリニックに相談したり、診断や治療を受けられたり、子どもの特性が分かるので、対処法を学ぶことが出来ます。
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)親の会に参加する
自閉症子供の家族を対象とした家族会やサポートグループは全国に沢山あります。
しかし親の会は、安心して相談できる場所なのですが、初めて参加する親御さんにとっては、非常に勇気がいることも事実だと思います。
ペアレントトレーニングを受ける
「親が最良の治療者」という考え方をもとに、発達障害の子を持つ親を対象に行わるもので、原因としての親の育て方ではなく、治療への足がかりとしての親に着目した考え方です。
まとめ
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)がどのような障害で、どのような事に気をつけるべきか理解するのは労力がかかります。
しかし接していく内に、特徴を掴む事が可能なので、深く考えずにその人に合った接し方をそれぞれ見つける事が出来るでしょう。
医師の主観ではなく、客観的なデータで診断
脳の状態を診断するQEEG検査(定量的脳波検査)

治療前と治療後のQEEG検査結果の変化

人工知能(AI)を用いて、ディープラーニング(深層学習)することで、様々な脳の状態を統計学的に把握することが出来るようになりました。
5歳から高齢者(大人)まで幅広い年齢層の方に対してQEEG検査の結果に即した、結果に応じて、薬を使わない治療など個人に合った治療を提案する事も可能です。
客観的指標のない精神科領域において、欧米では非常に需要のある検査法です。